スマート農業におけるドローン活用:利点・用途・選び方

近年、農業におけるドローンの活用が急速に拡大しています。導入の判断に迷う方のために、AgEagleのエンジニアが執筆した「農業分野でのドローン活用のメリットと検討すべきポイント」を日本語で紹介します。
(参照記事:Drones in agriculture: benefits, applications and things to consider - AgEagle Aerial Systems Inc.)
ドローン導入のメリット
ドローンは圃場のデータを迅速・効率的に収集し、収穫量の予測や管理に役立ちます。また、人件費削減や広範囲の監視にも適しており、長期的なコスト削減が期待できます。
農業分野での主な活用方法
年間を通じて:作物開発、植物の健康診断、害虫・病気管理、雑草マッピング、漏水検知、保険請求、水管理、収量予測など。
播種前:土地調査、土壌・水管理。
成長初期:播種効率確認、雑草管理。
成長中期:収量予測。
成熟期:作物の成熟度、土壌保全。
家畜管理:家畜のカウント、行動分析、飼料管理。
農業専門家のオリビア・ソアレス・デ・カマルゴとeBee X固定翼ドローン。
農業用ドローンの選び方
ドローンを選ぶ際のポイントは以下の3つです。
・操作性:扱いやすいか。
・性能・信頼性:高精度なデータ収集が可能か。
・コスト:価格と性能のバランス。
AgEagle社のeBee Xは、広範囲をマッピングできる固定翼ドローンで、長時間飛行が可能。RTK/PPKオプションにより精度向上も図れます。
ドローンカメラとソフトウェア
ドローンに搭載するセンサー選びも重要です。マルチスペクトルセンサーとRGBセンサーは、シーズンを問わず多用途に活用され、農学者や農業従事者に貴重なデータを提供します。
オルソモザイクマップ:播種の優先順位付けや土壌保全、水管理に活用。
NDVIマップ:作物の健全性や生育状況を分析し、生産性向上に貢献。
衛星地図 /Duet M(マルチスペクトルおよびRGBの一体型カメラ)を搭載したeBee Xにて収集したRGBおよびNDVIデータの比較。
特に、eBee XとDuet Mの組み合わせは、精度の高いマルチスペクトルデータを提供し、圃場管理の最適化を支援します。
組み合わせ自由!eBee TAC向け/交換可能なカメラガイド6選|ジェピコメディア (jepico.co.jp)
NDVIデータセットを活用した問題解決
例えば、NDVIデータセット(右)を活用すると、農業従事者は圃場のさまざまな問題を特定できます。エリア.1 作物の出穂タイミング、割合、植え付け方向を示します。
エリア.2 播種ゾーン。一部に雑草が確認され、必要に応じて除草剤の使用が判断できます。
エリア.3 発芽後の光の反射率を計算し、問題のあるエリアと健全なエリアを比較できます。
エリア.4 圃場内の特定の問題箇所や地域を特定できます。
eBee Xのような固定翼ドローンは、画質を維持しつつ広範囲をスキャンできる画期的なソリューションです。また、異なる日に同じ圃場を撮影することで、経時的なデータ比較が可能になり、不要な変数を排除できます。
さらに、RTK/PPK位置参照技術を活用すれば、地上制御点なしでも高精度なデータを取得可能です。
画像収集後は、専用ソフトウェアを使用し、オルソモザイク、等高線、植生指数などの最終データを生成するため、飛行後に画像処理を行います。そのため、AgEagleのようなメーカーは、さまざまな後処理ソフトウェアと互換性のあるユニバーサルフォーマットで画像を生成しています。
MicaSenseマルチスペクトルカメラ(※eBee Xへの搭載は不可)
AgEagleが提供するMicaSenseマルチスペクトルカメラも取り扱っています。NDVI、NDREなどのインデックスを計算し、農作物の生育状況を把握できる、マルチスペクトルカメラ界のハイエンド製品です。
DJI社製ドローンへの取り付けが簡単で、熱画像を撮影できるモデルもあります。全モデルにパンクロマチックセンサが搭載されており、高解像度のマルチスペクトル画像を取得したい方に最適です。
農業用ドローンを購入する際のポイント
ドローンを選ぶ際は、使いやすさ、ワークフローや他のテクノロジーとの統合性が重要です。また、過酷な農業環境に耐えうる堅牢性や、持ち運びやすさも考慮すべき点です。
eBee Xは、翼部分を取り外してバックパックで簡単に持ち運べ、3分以内にセットアップが完了します。基本的に1人で操作でき、これらの条件を満たしています。
また、国内のドローン運用規制を確認することも重要です。
農業へのドローン導入は大きな決断に思えるかもしれませんが、実際には多くのメリットがあります。圃場でのドローン利用を重ねることで、データの重要性を理解し、傾向を把握し、ワークフローをより効率的に改善できます。
ぜひ、農業へのドローン導入をご検討ください。
問い合わせ
本文を記入してください
eBeeビジョンシステムは、ジオサーフ株式会社が輸入・技術サポートを提供し、株式会社ジェピコを通じで日本国内で販売されています。
問い合わせメールアドレス:eBeedrones@jepico.co.jp
電話番号:03-6757-6183 (森園)
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