【MicaSense】Rededge-MXを用いた、クロロフィルマップによる真菌の特定

この記事では、ブラジルの果樹園で柑橘類作物を育てる際に、MicaSenseのマルチスペクトルカメラを活用して真菌性の病気を特定した実用例をご紹介します。
※本記事に登場するRedEdge-MXは旧モデルで現在は販売しておりません。最新のラインナップは以下のボタンからご覧ください。
目次
1. 活用の背景
2. 実施された検証方法
3. 検証結果
4. 問い合わせ
5. 関連記事
1 活用の背景:
お客様の多くは、マルチスペクトラルカメラを用いて、植物の量や活力を表すNDVI(Normalized Difference Vegetation Index:正規化植生指標)といったインデックスを取得しています。
しかし、植物全体の健康状態を正確に把握するためには、NDVIだけでなく、特定のバンド帯域を取得してストレスや病気の兆候をより早く正確に検出できるスペックを備えたマルチスペクトラルカメラが必要です。加えて、さまざまなインデックスを活用した高度な分析も重要となります。
真菌性の病気は、柑橘類作物を育てる果樹園にとって深刻な問題です。この病気に気づかず蔓延してしまうと、果樹園全体が大きな損害を受ける可能性があります。そのため、柑橘類作物を育てる際には、果樹園を注意深く、継続的に監視することが不可欠です。
2 実施された検証方法:
航空地図サービスプロバイダーである3DGEO社のブルーノ氏は、ブラジルの柑橘類作物を育てる果樹園において、MicaSenseのマルチスペクトルカメラ「RedEdge-MX」を活用し、果樹園全体の監視を支援していました。RedEdge-MXをドローンに搭載して撮影を行った後、Atlas※を使用してNDVIデータを取得し、さらに画像を分析しました。
※Atlas:MicaSense社が提供するクラウドサービスで、マルチスペクトルカメラで撮影した画像の表示や管理が可能です。
3 検証結果:
この果樹園では、ほぼ均一なNDVIデータが取得されました(上図参照)。右上に赤く表示されている部分がありますが、これは雑草であることが確認されました。
しかし、このデータだけでは、植物に影響を及ぼす真菌性の病気を明確に特定することはできませんでした。ブルーノ氏は、植物の根に影響を与える真菌性の病気が存在している可能性を認識していました。
NDVIのデータだけでは不十分だと判断したブルーノ氏は、植物の健康状態を測定することを目的としたインデックスであるクロロフィルマップに切り替えました(クロロフィルマップもMicaSenseのクラウドサービス「Atlas」で利用可能です)。このマップでは、非常に低い値を示す箇所が明確に表示されました(上図参照)。
実際に、ブルーノ氏と果樹園の栽培者がマップで赤く表示された箇所を確認したところ、真菌性の病気に感染した果実が発見されました。彼らはその果実を取り除くことで、病気の蔓延を防ぐことに成功しました。
NDVIデータだけでは、植物の健康状態を明確に把握するには限界があります。そこで、MicaSenseはNDVI以外にもさまざまな植生インデックスを作成できるクラウドサービス「Atlas」に注力しています。MicaSenseのマルチスペクトルカメラととAtlasを活用し、その実力をぜひお試しください。
問い合わせ
e-mail: jepico_HSP@jepico.co.jp
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インテグレーション説明:
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ソフトウェア説明:
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株式会社ジェピコ
E-mail:jepico_HSP@jepico.co.jp
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