【MicaSense社】病気の早期発見におけるレッドエッジバンドの重要性 ”カンザス州 冬小麦における事例紹介”
目次
1 はじめに2 RedEdgeを用いた撮影
3 病気の発見
4 まとめ
5 関連記事
1 はじめに
NDRE(正規化レッドエッジ指数)やMicaSense社の提供するChlorophyll Map(クロロフィルマップ)のようにレッドエッジバンド(波長712nm~722nm)を利用した指数画像を利用すると、NDVI(正規化植生指数)を用いるよりも早期に植物の疫病が発見できるケースがあります。本記事では、カンザス州(カンザス州立大学)にてMicaSense社のRedEdge(マルチスペクトラムカメラ)を利用して早期に冬小麦の問題を発見した事例を紹介いたします。2 RedEdgeを用いた撮影
カンザス州立大学では、ロボットを用いて高付加価値な作物を生産を目指すとともに、収穫量の最大化、効率化を持続的に実現する研究を行う精密農業の研究を行っております。初めに、同大学ではMicaSense社のRedEdgeを用いて、撮影を行い、RGB、NDVI、およびCIRコンポジットを取得しています。下記の画像をご確認ください。ビューワーにはMicaSense社の提供するクラウドシステム”Atlas”を用いています。
CIR画像 (いわゆる疑似カラー画像、赤はNIRの反射を意味し赤い場所に植物が存在します)
ここまでで紹介したRGB、NDVI、CIRの画像も非常に多くの情報をもたらす重要なものですが、下記に示す、Chlorophyll Mapと呼ばれる画像を参照ください。この画像では、画像中央の下部に赤くなっている箇所が見受けられ、この場所で、何らかの問題が発生していることが推測されます。
Chlorophyll Map(MicaSense社のAtlasが提供するクロロフィルマップ レッドエッジバンドを利用して得られる指数画像です)
3 病気の発見
Chlorophyll Mapで赤く示される個所に何が発生しているかを確認する為に実際に圃場へ足を運んで撮影した画像を下記に示します。葉に黄色の病変が見られる。これは、”Wheat Streak Mosaic”感染の典型的な症状です。
Wheat Streak Mosaicはwheat curl mites(ダニの一種)が広めるウィルスです。このウィルスは、自生の小麦によく見られ、風に乗って近くの畑へ運ばれて、収量に重大な影響を与えます。実際にWSMV(Wheat Streak Mosaic Virus)が存在するエリアでは収量の減少が観測されました。カンザス州立大学はこのデータを使い、Wheat curl mitesの生息地を減らすため、自生小麦の発生を抑制することの重要性を実証しました。この管理手法の実践は、Wheat curl mitesやアブラムシからウィルスに感染して収量が減少するリスクの軽減に役立ちます。
4 まとめ
疫病の早期の発見は非常に重要です。そのためにはどのようなセンサを用いるかが鍵となります。この小麦における試験は、MicaSenseのRedEdgeが病気の早期発見を可能にすることを示す可能性を示しました。カンザス州立大学のチームは、この試験を行った場所を定期的に検査していましたが、Chlorophyll Map(レッドエッジバンド指数)で明らかになるまで、病気は発見できていませんでした。水、窒素、真菌性の病気など、作物へのストレスの多くでは、早期の発見と対応が、収量の減少を防いで最大限の収量を維持する上で重要となります。レッドエッジバンドのないセンサでもストレスと病気を発見できるかもしれませんが、疫病の発見遅延が、潜在収量を改善する機会を見逃す可能性につながります。疫病の早期発見のためには、レッドエッジバンドの撮影が可能なMicaSense社のマルチスペクトラムカメラ製品群をお勧めいたします。
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