【MicaSenseが高品質な理由 2】オリジナルツールを用いた日照条件別の最適な補正方法

マルチスペクトルカメラを使用する際に、ラジオメトリック補正は非常に重要なポイントです。こちらの記事では、日照条件別にCRPとDLS2*を活用したラジオメトリック補正について詳しく説明します。
参考記事:Capturing multispectral data in ideal and adverse lighting conditions - AgEagle Aerial Systems Inc.
目次
1. データ取得に最適な条件と不利な条件2. ベストな照明条件ではないけれど、良い画像を取得したい時の改善策は?
3. CRPとDLS2をうまく活用しましょう
4. CRPとDLS2のどちら?両方?どれを用いてキャリブレーションしたらいいか迷ったときは?
5. まとめ
1. データ取得に最適な条件と不利な条件
Good! 最適な条件
マルチスペクトルデータの取得に理想的な条件は、晴天または均一な雲に覆われた曇天の日です。
左:快晴の日 右:薄曇りの日
Bad...不利な条件
最も撮影に向いていないのは部分的に曇っており、影と太陽の光が顕著に分かれている場合です。このような条件下では、マルチスペクトルデータに異常が生じる可能性が高く、データセットから生成されるコンポジットや植生指数に悪影響を及ぼすことがあります。
2. ベストな照明条件ではないけれど、良い画像を取得したい時の改善策は?
MicaSenseシリーズの一番の強み(価値)は、レベルの高いラジオメトリック補正を実現するため、日照状況に影響されにくいデータを取得するツールを提供している点です。各カメラキットには、CRP(キャリブレーションパネル)とDLS2(GPS内蔵照射度センサー)の2つの校正ツールがセットでついてきます。

雲が与える影響例
まず、フライトの前後にCRPのパネルを撮影することで、基準となる反射率値を取得します。
DLS2は光強度の変化を取得するため、フライト中に継続的にデータを収集する役割を担います。DLS2にある10個の異なる照射度センサーを通して下降光をとらえ、太陽の位置と画像への光の影響を最適に判断することができます。収集したデータを元に、各画像のメタデータに適切な値を適用します。
3. CRPとDLS2をうまく活用しましょう
データ収集時にCRPとDLS2の両方を使用することで、処理中に片方または両方のツールのデータを使用し、最良のオルソモザイクを作成できます。
例えば、Agisoft Metashape、Pix4D Mapper、Simactive Correlator3Dで処理する場合、CRP、DLS2、またはその両方を使用してキャリブレーションするかどうかを自由に決定できます。
ジェピコではPix4D社のソフトウェアを提供可能です。お気軽にお問合せください。
▼メタシェイプの例

4. CRPとDLS2のどちら?両方?
どれを用いてキャリブレーションしたらいいか迷ったときは?
そんなときは、撮影時の天候で判断しましょう。以下のガイドラインを参照ください。晴天:CRPのみを使用
晴天の場合、CRPのみの使用で充分です。DLS2を用いると左画像のように縦線模様が入る可能性があります。
左:快晴の日にDLS2を使用すると、画像のような縦縞が発生する。 右:CRPのみ使用。
曇りやその他の曇天:CRPに加えてDLS2の両方を使用
例: 積雲の場合下の左の画像は、照度が大きく変化する曇天時のデータです。この例では、DLS2からのデータを使用して、陰による影響を補正することができました。
残念ながらDLS2データを使用しても雲による異常が除去されないほど、照度変化が激しい例もありますが、今回はかなりの改善が施されています。(写真提供:ゲルフ大学およびニスフィールド先端農学ジョン・スリック博士)

下の画像のように巻積雲が空を覆っている場合も、DLS2がデータ品質の向上に役立ちます。


左:DLS2補正なし。 右:DLS2補正あり
DLS2は、さまざまな照明条件下でも正確なラジオメトリック補正を行い、局所的な日射の影響を除去し、均一なオルソモザイクを生成します。
5. まとめ
マルチスペクトルデータを収集する際、難しい照明条件に直面することがありますが、MicaSenseシリーズのカメラとCRPおよびDLS2を組み合わせることで、さまざまな条件下でも高品質なラジオメトリック補正が実現可能です。これらのツールを上手に活用することで、解析や経時的なデータ観察に最適なマルチスペクトル画像を取得できる点が、MicaSenseの大きな強みです。
問い合わせ
e-mail: jepico_HSP@jepico.co.jp
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