【固定翼UAV活用事例】野生生物の観察と環境保全にマッピングドローンを活用

株式会社ジェピコは、AgEagle社の正規代理店としてeBee固定翼ドローンを取り扱っています。
本記事では、eBeeドローンの環境保全分野における活用事例を紹介します。(参考記事はこちら)
絶滅危惧生物の保護には、追跡とモニタリングが不可欠です。
近年では、生態系に影響を与えず非接触で観察できる手法が重視されており、その一環としてマッピングドローンが活用されています。
FITテクノロジー(足跡識別技術)× eBee固定翼ドローン

非営利団体WildTrackは、FIT(Footprint Identification Technique=足跡識別技術)とeBee固定翼ドローンを組み合わせた実証実験を行っています。
「従来のモニタリング手法は、絶滅危惧種にとって有害であることが判明しました。そのため、動物の自然な行動を妨げず、傷つけない非侵入的なアプローチの採用を決めました。」(WildTrackコメント)
WildTrackは、SASソフトウェアJMP部門の主任研究員であり、デューク大学の非常勤講師でもあるスカイ・アリバイ博士とゾーイ・ジュエル博士によって設立されました。彼らのソフトウェアは、非侵入的な方法で絶滅危惧種を監視・保護することを可能にします。
実際のモニタリング方法
・標準的なカメラやスマートフォンで動物の足跡を撮影。・WildTrackのFITソフトウェアで画像を処理し、足跡の主要データ(寸法、角度、面積)を抽出。
・足跡を解析し、個体の特徴(種、性別、年齢層)を特定。
・JMP統計ソフトウェアに統合され、カスタマイズされた統計モデルを用いて高精度な識別を可能にします。
ドローンによる効率的なデータ収集
WildTrackは足跡分析ソフトウェアの開発に成功しましたが、データ収集の効率化が課題でした。従来の方法では、チーターやアムールトラの足跡を見つけるために、ナミビアの砂漠や中国北東部の雪原を何マイルも歩く必要がありました。この課題を解決するために、eBee Xのようなマッピング用ドローンが導入されました。
デューク大学海洋研究所があるノースカロライナ州ボーフォート沖の調査では、eBee Xを使用してマッピングが行われました。eMotionアプリで飛行計画を立て、eBee Xを打ち上げます。1.6kgと軽量なため、一人で操作できるのも大きな利点です。

収集されたデータ
AeriaXで撮影されたノースカロライナ沿岸の浅瀬の直下画像。

ノースカロライナ州沿岸一部の3D点群。
2cmのデータセットを使って、撮影した画像全体のオルソモザイクをPix4Dで作成しました。これにより、人間や犬、馬の足跡を検知し、注目すべきエリアを簡単に特定できることが確認されました。

Aeria X
Aeria Xカメラで撮影した画像から、人間の足跡を特定することができました。Aeria Xは精密マッピング用の高解像度カメラで、異なる照明条件下でも鮮明な画像を撮影できます。
そのため、従来よりも長時間のマッピングが可能です。

実際の足跡
この実証実験を通じて、ドローンと高性能カメラを活用することで、野生生物の足跡を正確に確認できることが証明されました。
eBeeのマッピングドローンをクロサイ保護に活用
これらの成果をもとに、AgEagleとWildTrackはナミビアのクロサイモニタリングにもeBeeを活用。ナミビアには世界のクロサイ個体数の約30%が生息しており、密猟防止のためのマッピングが求められています。
eBeeドローンは豊富なカメラの組み合わせが可能で、多用途に使用できる点も特長です。
(※eBee VISIONを除く、eBee VISIONははじめからカメラを搭載しています。)
RGBカメラ
サイや密猟者の足跡・罠・タイヤ痕を検出し、密猟防止の分析に活用。赤外線カメラ
夜間の違法行為やサイの行動を監視。マルチスペクトルカメラ
植生マッピングや干ばつ評価に利用。eBeeドローンのスペックシートはこちら

御見積・製品の問い合わせ
eBeeビジョンシステムは、ジオサーフ株式会社が輸入・技術サポートを提供し、株式会社ジェピコを通じで日本国内で販売されています。
問い合わせメールアドレス:eBeedrones@jepico.co.jp
電話番号:03-6757-6183
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