【MicaSense】Altumセンサーが支える精密農業の効率化とビジネス成長

2023/02/16

株式会社ジェピコは、AgEagle社（MicaSense・eBee固定翼ドローン）の正規代理店です。
参考記事: How the Altum integrated multispectral and thermal sensor is helping a precision farming company scale their business - AgEagle Aerial Systems Inc.

精密農業の分野において、ドローンと先進的なセンサー技術は欠かせない存在となっています。特に、AgEagle社のMicaSenseシリーズのひとつAltumセンサーは、農作物の状態を正確に把握し、効率的な生産管理を実現するための強力なツールとして注目を集めています。

スペインの*Flydronairは、Altumセンサーを活用することで、農業経営の効率化やコスト削減、さらには生産性の向上を実現し、事業の拡大を加速しています。
本記事では、*FlydronairがどのようにAltumセンサーを活用して精密農業を支え、クライアントのビジネス成長に貢献しているのかをご紹介します。

*Flydronairは、スペインに拠点を置く精密農業のデータ提供とサービスを行う企業です。同社の専門家は、ドローンを使ったマルチスペクトルおよびRGBデータを用いて、作物の監視と効率向上のための高度な分析を行っています。同社は、ヨーロッパ全域で精密農業サービスを提供しており、現在ではその業務をグローバルに拡大しています。正確なマルチスペクトルデータを活用して、クライアントの水使用量を90％削減し、農業投入物を30％減少させ、平均20％の生産性向上を実現しました。

1. プロジェクト概要
2. セビリアのお客様の例
3. 課題：長期プロジェクトの一貫性と簡易化されたクライアント向けソリューション
4. 解決策：高度な分析に適した信頼性の高いマルチスペクトルセンサー
5. 成果：確立された評判、ビジネス成長、運用の拡張性
6. 結果
7. おわりに

1. プロジェクト概要

・ミッション: 果樹園の監視
・出力: NDVI、GLI、TGI、NDRE、熱画像
・面積: 60ヘクタール
・フライト回数: 3回
・ドローン: DJI Matrice 300
・総画像数: N/A
・センサー: MicaSenseシリーズ Altum
・精度: 約3.4 cm GSD
・PPK/RTK: RTK
・処理ソフトウェア: Agisoft Metashape、PIX4Dfields、DJI Terra
・場所: スペイン、セビリア
・データ提供元: Flydronair – Pedro Lucas

分析されたデータは、農業機械にインポートされ、精密農業を実施して土壌の質や生産性を最適化し、ターゲットを絞った介入（植物レベルでの作物散布や治療など）に活用されます。

2. セビリアのお客様の例

セビリアのあるクライアントは、果樹園の地図作成をFlydronairに依頼しました。目的は、栄養素の不足を評価し、水分ストレスを特定し、収穫予測を立て、運営コスト削減に役立つ改善案の検討材料にすることでした。

MicaSenseシリーズのAltumセンサーによって撮影された高解像度のマルチスペクトルデータの高度な分析から、クライアントは果樹園の下部に害虫が発生していることを発見しました。発見後、現場技術者は害虫を分析し、対策を決定しました。マルチスペクトルデータはさらに害虫の拡散を予測し、クライアントが戦略的に病害を排除するための計画を立てるのに役立ちました。

3. 課題：長期プロジェクトの一貫性と簡易化されたクライアント向けソリューション

Flydronairは、年間パッケージで技術分析、報告書、治療オプション、アドバイス、およびデータ可視化を提供しています。このビジネスモデルでは、クライアントのサイトでのすべての飛行から一貫して信頼性の高い高品質なデータの取得が求められ、飛行ごとに最適に実施する必要があります。そのため、センサーの故障によるダウンタイムを避けるために、すべてのフライトは最適に実行されなければなりません。

ほとんどのクライアントは、NDVIなどの植生指数や専門的なデータ出力には関心がなく、データ分析、可視化、処置におけるアドバイスを含む完全な報告書を必要とします。クライアントに簡易化されたソリューションを提供するには、データを分析して提示するための時間が多く、データ取得のフィールド作業は少なくなります。そのため、正確なデータを取得し、信頼性があり再現可能な結果を得られる高品質なセンサーが必要です。

4. 解決策：高度な分析に適した信頼性の高いマルチスペクトルセンサー

精密農業で高度な分析を行うために必要な一貫して高品質なマルチスペクトルデータを確実に取得するため、FlydronairはMicaSenseシリーズのALTUMを選択しました。(現：Altum-PT)

FlydronairのCEOであるPedro Lucasは、センサーやソリューションを選択する際に「最も重要なのはデータの質だ」と述べています。Lucasとそのチームは、高品質で解像度が良く、使いやすさ、高いコストパフォーマンスのようなさまざまな要因から唯一無二であるAltumセンサーを選びました。赤外線熱センサーも付加価値となり、データ分析を改善する包括的なセンサーとなっています。

Flydronairは、他にもDJI P4マルチスペクトラルドローンを所有していますが、Altumセンサーと同等の精度を持っていません。Altumセンサーの熱センサーと5つのマルチスペクトルバンドは、同社の主力センサーとなり、現在では通常、週に3回使用しています。熱画像がセンサーに統合されているため、別のセンサーを使う必要がなく、追加の飛行を節約できます。

5. 成果：確立された信頼、ビジネス成長、運用の拡張性

過去2年間で、高精度なマルチスペクトルデータにより、セビリアのクライアントは、同じ土地面積で作物生産を20％増加させることができ、コストを削減し、意思決定を迅速化しました。水分不足や栄養不足のエリアは、優先的に特定され、タイムリーに治療され、損失を防ぐことができました。

Flydronairの信頼性は、Altumのような高品質なセンサーを使用することで確保され、クライアントの満足度と契約更新を支えています。特に、セビリアのクライアントが2023年の契約更新を行ったことがその証です。

Flydronairが収集する高品質なマルチスペクトルデータは、長期にわたるデータベースの構築と改善にも役立っています。このデータベースは、各作物での水分不足や栄養不足がどのように現れるかに関する情報を含んでおり、Flydronairはこれをビジネスツールとして活用し、クライアントのためにより迅速で正確な診断を提供しています。

ドローンによる作物データと治療は特にブドウ畑や水田に有効で、これらの土地は植え付けと収穫の間に人が入らないため、ドローンの使用により作物生産が平均20％増加します。

Flydronairはまた、作物の空中治療用製品の製造業者と提携しており、彼らがクライアントとの仕事から得たデータと洞察を基にしています。このデータが正確であればあるほど、診断と治療がより迅速かつ正確に行えます。

6. 結果

Lucasは、「ドローンを使うなら、その技術と専門知識を理解し、最適なソリューションを選ぶことが重要です」と述べています。「AgEagleのMicaSenseセンサーは広く認知されており、素晴らしいデータ品質を提供します」と言います。食品生産は常に必要とされるものだとLucasは語り、質の高いドローンデータとドローンベースの治療が農業の成功には不可欠であると強調しています。