マルチスペクトルカメラにおける青色バンドの重要性
収量予測に役立つ花数計測
MicaSenseセンサーの青色バンドは、分析用データの収集の幅を広げます。
※本記事での「青色バンド」はRedEdge-P blue搭載の「コースタルバンド」と異なります。
RedEdge-P、RedEdge-Pデュアル、Altum-PTに搭載されている青色バンドは、花に対する感度が高いため、花数計測や開花密度分析の中核を担っています。果実などの食物を育成するうえで、花数は収穫量に直結するため、生産者にとって特に重要なデータです。
青色バンドが収穫量予測の重要な役割を果たしていることを証明するひとつの例として、Ocean Spray社が撮影したクランベリーのツルの画像を見てみましょう。
花粉の構造が重すぎて風で運べないことから、クランベリーの花は自家受精ができません。そのため、花から花へと花粉を移動させるには昆虫が必要です。また、クランベリーは昆虫を引き寄せるため、最終的な収穫量よりも多くの花を咲かせます。
青色バンドの画像(右下隅)では、クランベリーの花がはっきり見えるので、識別しやすく、数えやすいことがわかります。
一方RGB画像(左上隅)は、色彩的に複雑です。赤と緑の葉があり、白い花もあるため、花と葉の区別がつきません。
この種の分析はクランベリーだけでなく、他の作物にも適用することができます。開花密度の分析が可能になり、生産者は実用的な情報に基づき管理方法を決定することができます。
RGBコンポジット、追加レイヤー、スカウティング
RGB合成画像は、青色バンドを赤色バンドと緑色バンドと組み合わせることで生成することができます。また、個々のバンドやカラー赤外合成画像よりもRGBの方が対象物の識別や特徴を捉えることに長けています。
青色バンド無しではRGB合成画像を生成できないだけではなく、EVI(強化植生指数)、GLI(緑葉指数)、VARI(視覚的大気抵抗指数)などの植生指数を生成するための鍵でもあります。特にVARIは、大気の影響を最小限に抑えることができるため、異なる気候条件下での撮影データを経時的に比較する際に役立ちます。
青色バンドをフル活用して作物をより深く観察
青色バンドを搭載したマルチスペクトルセンサーは、幅広い情報収集を可能にし、複雑な分析を可能にします。一般的に使用される他のバンドに加え青色バンドを用いてセンシングすることは、人間に備わっている5つの感覚すべてを使うようなものです。五感によって周囲の状況を完全に把握できるように、作物に何が起こっているかをより広く正確に把握するのに役立ちます。
すでに2バンドまたは3バンドのセンサーを使用している場合、MicaSenseのような青色バンドを含む5バンドのセンサーでさらなる発見をしてみてください!
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e-mail: jepico_HSP@jepico.co.jp
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