PhaseOne社　1.5億画素カメラ活用事例　～鉄道橋編～

2020/02/26

この記事では、PhaseOne社　1.5億画素カメラ活用事例として、実際に「鉄道橋」を撮影した事例を用いて、レンズを変更することで撮影範囲や解像度がどのように変化するのかを確かめました。

昨年、プロフェッショナルフォトグラファーや産業用アプリケーション向けに中判デジタルカメラを提供し続けるPhaseOne社は新たな製品　超高解像度1.5億画素を発売しました。
大型インフラ構造物の点検での効率化/省力化が望まれる中、実際どのような写真が撮影できるのか。
このカメラを用いて鉄道橋の撮影及びオーバーラップ撮影による3次元化を実施しました。

【目次】

【１．新製品紹介】
【２．撮影事例】
【３．撮影写真】
【４．まとめ】
【５．関連メディア】
【６．お問い合わせ】

【１．新製品紹介】

今回使用したカメラは、一眼レフ 1.5億画素カメラ XF IQ4です。

IQ4シリーズは、世界初　裏面照射型の1億5100万画素CMOSセンサを搭載しています。
無限の可能性を持つ新規開発のプラットフォームを採用し、アプリケーションをカメラ内部に実装することができます。
これにより今まで外部のソフトウェアで行っていた画像の編集、処理をカメラ本体で高速に処理することも可能となりました。
従来の1億画素に比べ、広範囲に同じ分解能の画像を撮影することが可能で大きな被写体の隅々まで再現することが可能です。

概要スペック
　・解像度　　　　　1億5100万画素
　・長時間露光　　　60分
　・ISO感度　　　　50-25600
　・センサタイプ　　裏面照射型CMOS
　・センササイズ　　53.4mm x 40mm
　・有効画素数　　　14204 x 10652
　・ピクセルサイズ　3.76um x 3.76um

【２．撮影事例】

今回の撮影対象は、鉄道橋。
地上から3脚を用いて、真横の撮影を行いました。

撮影環境は以下の通りです。
　・使用カメラ　：　XF IQ4 1億5000万画素　一眼レフカメラ
　・使用レンズ　：　55mm, 80mm, 240mm
　・撮影距離　　：　20m
　・計算上の分解能と撮影範囲

	分解能	撮影範囲
55mmレンズ (広角レンズ)	1.369mm/pixel	19.42m x 14.56m
80mmレンズ (標準レンズ)	0.941mm/pixel	13.34m x 10.0m
240mmレンズ (望遠レンズ)	0.313mm/pixel	4.45m x 3.32m

　　　　　　※今回は、被写体までの距離　20mで計算

【３．撮影写真】

1)実際の写真では20m先の鉄道橋はどのように見えるでしょう。

①広角レンズ55mm (35mmセンサ換算で、約34mm相当)の場合
鉄道橋55mm.jpg

②標準レンズ80mm (35mmセンサ換算で、約48mm相当)の場合
鉄道橋80mm.jpg

③望遠レンズ240mm (35mmセンサ換算で、約144mm相当)の場合
鉄道橋240mm.jpg

2)3D化結果
　標準レンズ(80mm)を使用して鉄道橋と水平に移動して計12枚撮影。
　わずか12枚で市販のソフトウェア(Pix4D)を使用して3次元化を行いました。
橋梁3D_サンプル.jpg

【４．まとめ】

最新の超高解像度1.5億画素　一眼レフカメラを使用して鉄道橋の撮影を実施しました。
撮影した際の感想
　・20mも離れた環境でも従来のカメラに比べ非常に鮮明な写真を撮影できることが確認できました。
　・1枚の写真で非常に広範囲をカバーすることができました。
　　　55mm広角レンズでは、19.42m x 14.56mの範囲をカバー！
　・被写体の要求分解能によりレンズを使い分け、希望する分解能での撮影が可能なことがわかりました。
　・12枚という非常に少ない枚数でもきれいな3Dデータを生成することが出来ました。

PhaseOne社製品に関しては、こちらを参照ください。
あわせて橋梁編、風力発電編、沿岸警備(遠方撮影)編もご覧ください。

次回、より高精度な3Dデータ生成してみたいと思います。