ケーブルグランドの締め付けトルク フリッチェ/PFLITSCH
目次
1.ケーブルグランドの締め付けトルクとは?
2.ケ―ブルグランドの構造
3.①ケーブルグランドのパネル・筐体への固定
4. ②ケーブルのケーブルグランドへの固定
5.ケーブルグランドの締め付けトルクについての注意点
6.各シリーズごとの締め付けトルク(カタログダウンロード)
7.関連記事
8.お問い合わせ
この記事では、弊社取り扱いのPFLITSCH(フリッチェ)社ケーブルグランドの搭載における締め付けトルクについて、ラインナップのメインであるUNI Dicht (ユニディヒト)blueglobe(ブルーグローブ)を中心に解説いたします。
最後にはPFLITSCH社ケーブルグランドの各製品シリーズ別に締め付けトルクをご確認いただけるカタログダウンロードリンクもございますのでそちらも併せてご覧いただければ幸いです!
1.ケーブルグランドの締め付けトルクとは?
ケーブルグランドとは、ケーブルや配線を機器や制御ボックスなどの筐体に導入する際に、それらを確実に固定し外部からの物理的・環境的影響から保護するためのシステムです。
ケーブルグランドの性能・仕様を最大限に発揮させる・適切なパフォーマンスを提供するためには、様々な要因が関係しますが、要求規格や動作環境、取り付けるケーブルの外径、取り付け側のパネル・筐体の状態や材質など、事前に確認の上、最適なケーブルグランド製品を選定することが重要です。
適切な選定を行った上で次に重要となるのが、取り付けの際の締め付けトルクの管理となります。
PFLITSCH(フリッチェ)社ケーブルグランドには、製品シリーズや製品の素材・サイズにより異なる最大締め付けトルクの設定があります。
ケーブルグランドの各仕様や各構成部品の詳しい名称、使用環境の確認については、下記の記事をご参照ください。↓
Vol.11 ケーブルグランドの選び方①仕様 PFLITSCH
Vol.12 ケーブルグランドの選び方②部品 PFLITSCH
Vol.13 ケーブルグランドの選び方③使用環境 PFLITSCH
2.ケーブルグランドの構造
ケーブルグランドは、主に下記の3部品で構成されています。
Pressure Screw プレッシャースクリュー |
UNI Dicht:ダブルニップルに格納されたシーリングインサートをスクリューで締め付け、固定するための部品。 blueglobe:プレッシャースクリューに格納されたシーリングインサートをスクリューで締め付け、固定するための部品。 |
Sealing insert シーリングインサート |
ダブルニップルもしくはプレッシャースクリューに取り付け、ケーブルを通す柔軟性のあるパッキンのような部品。 |
Double Nipple ダブルニップル |
パネル・筐体へケーブルグランドをスクリューで締め付けて固定するための部品。 |
↓UNI Dicht シーリングインサートをプレッシャースクリュー+ダブルニップル=ボディから取り外した状態
↓blueglobe シーリングインサートをプレッシャースクリュー+ダブルニップル=ボディに組み立てた状態
3.①ケーブルグランドのパネル・筐体への固定
ケーブルグランドの取り付け(締め付け)の作業は、下記の2回生じます。
1回目は、ダブルニップルをパネル・筐体に取り付ける際
2回目は、プレッシャースクリューをダブルニップルに取り付ける際
まずは1回目の取り付ける際の締め付けトルクについて解説いたします。
このダブルニップルをパネル・筐体に取り付ける際の締め付けトルクについては、明確に「最大締め付けトルク」が規定されています。
よって、 対象となる製品シリーズ x ネジタイプ(Mネジ or Pgネジ) x 材質(金属 or 樹脂 ) を良くご確認の上、正しい表をご確認いただき、表中の適合するネジサイズから、ご自身でお使いのケーブルグランドについて適切な最大締め付けトルクをお確かめの上、取り付け(締め付け)の作業を実施いただきますようお願いいたします。
UNI Dicht(ユニディヒトシリーズ)最大締め付けトルク表 |
左:UNI Dicht(ユニディヒトシリーズ)、metric thread(Mネジ) metal(金属製) 右:UNI Dicht(ユニディヒトシリーズ)、metric thread(Mネジ) plastic(樹脂製) |
blueglobe(ブルーグローブシリーズ) 最大締め付けトルク表 |
左:blueglobe(ブルーグローブシリーズ)、metric thread(Mネジ) metal(金属製) 右:blueglobe(ブルーグローブシリーズ)、metric thread(Mネジ) plastic(樹脂製) |
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4.②ケーブルのケーブルグランドへの固定
次に、プレッシャースクリューをダブルニップルに取り付ける際(ケーブルをケーブルグランドに固定する際)の締め付けトルクについて解説いたします。
このプレッシャースクリューをダブルニップルに取り付ける際の締め付けトルクについては、「最大締め付けトルクを超えないでください。」というさきほど前項にて参照いただいた「最大締め付けトルク」の規定がそのまま適応されますが、もう1点の条件が付加されます。
それは、プレッシャースクリューをダブルニップルに取り付ける際、「シーリングインサートがプレッシャースクリューの上端と面一になるようにしてください。」というプレッシャースクリューを締め付けた際の、シーリングインサートの状態についての条件です。
つまり、規定された「最大締め付けトルク」を超えることのないトルク値での取付を行いながら、また、シーリングインサートがプレッシャースクリューの上端から飛び出さないように目視で確認しながらの取り付けをお願い致します。
5.ケーブルグランドの締め付けトルクについての注意点
シリーズやサイズ、素材、また締め付けの手順に関わらず、ケーブルグランドの締め付けトルク値および取付作業における注意点は下記の通りです。
※締め付け作業にはトルク値が管理できる工具を使用してください。
※「最大締め付けトルク」は「推奨締め付けトルク」ではない点ご注意ください。「最大締め付けトルク」は「これを超えないトルク値で締め付けてください」といった意味合いになります。
※上記の表はそれぞれ記載の対象シリーズ・サイズ・材質に対してのデータとなりますので、他のシリーズのケーブルグランドに対してこの対象外の「最大締め付けトルク」をご参照・適応しないでください。
※(パネル・筐体にねじ切りが設けられている)内ねじでの取り付けの場合と、(パネル・筐体にねじ切りが設けられていない)ロックナットを使用した貫通穴での取り付けの場合の両方に適用されます。
6.各シリーズごとの締め付けトルク(カタログダウンロード)
PFLITSCH社ケーブルグランドの各シリーズ製品ごとの締め付けトルクの情報は下記リンクよりカタログがダウンロードいただけます。
カタログダウンロード
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参考:PFLITSCH社ケーブルグランドの全ラインナップはこちら↓

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