ドローンを活用した高度なフレアスタック検査事例 ~安全な距離から細部まで把握~ 【Phase One】

本記事は、Phase One社(デンマーク)のホームページに掲載された「Using Advanced Drone Solutions for Flare Stack Inspection」を日本語化したものです。
ベルギーの検査サービスプロバイダー「SkyeBase」 は、インフラ資産所有者やメンテナンス管理者が重要なインフラ資産を管理するためドローンやセンサーを活用した検査を支援する豊富な経験を有しています。
目次
1 より速く/より安全で/より効率的な「フレアスタック検査 」
2 フレアスタック検査におけるドローン活用の効果
3 実際のフレアスタック検査の詳細
4 マッピングと 3D モデリング
5 Phase One の P3 ペイロード ソリューションの利点
6 お問い合わせ
7 関連情報
1 より速く/より安全で/より効率的な「フレアスタック検査 」
フレア(Flare)は、油田やガス田において原油や天然ガスの生産施設において、発生する余剰ガスを燃焼する際の炎のことです。フレアは石油やガス生産において重要な安全装置であり、緊急時に安全かつ効率的に排ガスを燃焼させる方法の1つです。余剰ガス処分の最適な作業条件を確保するため、フレアは定期的に評価及び検査することにより欠陥分析が行われます。これらの分析レポートは、長期的に保存し今後の検査と比較し、より正確な調査と潜在的な問題の発見に役立てます。ドローン(UAV)によるフレアスタック検査は、フレアスタックの検査中に近接しづらいエリアを視覚的な画像を提供することができます。また、ドローンで遠隔から撮影することにより処理プラントとフレアシステムを停止せず稼働し続けながら実施することができるため大幅なコスト削減を実現します。

SkyeBaseが導入したフレアスタック検査は、インフラ設備の上空から全方位の視点で撮影できるドローンテクノロジーを使用することで、フレア先端や放射線シールド、パイロット点火システム、配管、ガントリー、手すりなどの特定の領域に焦点を当てることもできます。
※ガントリー:重機など重量物を支持する台
ドローンを活用したフレアスタックの検査は、検査時間とコストを大幅に削減するだけでなく、検査チームの担当者が危険な高所作業を行う必要がなくなり事故のリスクも大幅に軽減することができます。
2 フレアスタック検査におけるドローン活用の効果
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大幅な時間短縮 生産設備の停止が不要 |
リスク軽減 専門の技術者がフレアを 直接点検する必要がなくなり 高所での作業事故リスクが軽減 |
コストカット ドローンによる検査により 検査時間が大幅に短縮され 作業コストが削減 |
3 実際のフレアスタック検査の詳細
ここからは実際にSkyebase社が実施したフレアスタック検査の詳細を説明します。
2021年12月、ベルギーのSkyebase社は、多国籍の石油/ガス会社からアントワープ(ベルギー)港にある稼働中のフレアスタックの構造評価、状態評価、技術分析を目的としたフレアスタック検査の依頼を受けました。
Skyebase社は、高度なドローンソリューションを使用してフレアスタックの遠方から高精細の撮影を行います。画像品質が非常に高く、対象の設備から離れて安全な距離を保って撮影ができるため安全性が向上しフライト時の事故リスクを低減することが可能です。

以下、アントワープ港でのフレア検査の例をご紹介いたします。(2021年12月)
高度なドローンソリューションを活用することにより、ミリ単位の傷の検査も行うことが可能です。対象の資産をより詳しく、より詳細に確認することができるようになりました。そのため、定期メンテナンスの対象となる領域を迅速に特定できるようになり、施設の停止時間なく稼働率の向上に貢献しました。
また、遠方からの広範囲撮影を行うことで撮影位置の特定が容易になり、毎回同じ場所/同じ角度で同じ写真を撮影することで、困難な環境条件下でも設備資産を非常に効率的に監視することができました。作成したレポートは、適切に保管し将来の検査との比較や、より詳細な調査のための元データとして活用することが可能です。
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4 マッピングと 3D モデリング
使用したPhase One社の高解像度カメラは、非常に多くのピクセルを持つ大きなセンサー(44 x 33 mm)が搭載されています。そのため、他のカメラと同じ精度で撮影する場合、高い高度から少ない写真で同等の画像を取得することが可能になります。その結果、飛行時間の短縮を行うことが可能で現場の滞在時間を短縮することができます。従来のカメラと同高度で飛行した場合は、大幅に品質向上します。
以下は同じ高度での 地上サンプリング距離(GSD: Ground Sampling Distance)の概要です。 (GSDは数値が小さいほど精度が高くなります)
撮影高度 | DJI Zenmuse P1 (43Mpx、35mm) |
フェーズワン P3 (100Mpx、35mm) |
フェーズワン P3 (100Mpx、150mm) |
40m | 0.50cm/ピクセル | 0.43cm/ピクセル | 0.10cm/ピクセル |
80m | 1.00cm/ピクセル | 0.86cm/ピクセル | 0.20cm/ピクセル |
100m | 1.26cm/ピクセル | 1.08cm/ピクセル | 0.25cm/ピクセル |
撮影した高解像度の画像を使用して 3D モデルを作成することも可能です。
3D モデルによってもたらされる一般的な利点は次のとおりです。
・損傷の局所化
・体積測定
・計画の作成
3Dモデルを生成することにより対象物の評価は非常に簡単になります。

5 Phase One の P3 ペイロード ソリューションの利点
100MPカメラを備えたP3ペイロードソリューションは、現場での検査とマッピングをより迅速に、より高い安全な距離から実行できるという利点があります。これにより、潜在的な停止時間と手動検査に伴うリスクが大幅に軽減されます。撮影時の解像度が非常に高いため、画像にはより詳細な情報が含まれ、点群の精度も非常に高くなります。製品の詳細情報はこちらを参照ください。
上記カメラを含めて、弊社でお取り扱いのあるPhase One社社製品はこちらです。
6お問い合わせ
7 関連情報

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・Phase One(フェーズワン)社 ドローン用ジンバル P3ペイロード(Mavlink版)
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航空機搭載製品:
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マシンビジョン、デジタルアーカイブ製品:
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登録情報:
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・Phase One(フェーズワン)社 【NETIS認証取得】『コンクリート構造物向け点検用高解像度カメラ(KT-230233-A)』が登録されました
お役立ち情報:
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・Phase One(フェーズワン)社 iXMカメラシリーズ ファームウェアアップデート手順
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レンタル:
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問合せ窓口:土屋(03-6362-0336)
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