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効率的かつ安全な空中送電線検査で実質的なコスト削減に貢献【Phase One】

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効率的かつ安全な空中送電線検査で実質的なコスト削減に貢献【Phase One】
本記事は、Phase One社(デンマーク)のホームページに掲載された「Phase One社iXM-100 1億画素カメラを活用したドローンによる送電鉄塔を点検した事例」を日本語化したものです。

※ヨーロッパでの事例となりますので、公開時点で日本で同様の技術を活用できない可能性があります。
詳細情報をご希望の方は、弊社までお問い合わせください。

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電力設備のような公益事業で必須となっている定期検査は極めて重要です。点検作業員は、アクセスが困難なエリア / 高所 / 危険な地形で様々な困難に直面します。徒歩でのパトロール、ヘリコプター、産業用クライマーなどの従来の検査方法では、たくさんの費用と時間を費やします。

この記事では、スイスにおける最大の再生可能エネルギー供給企業であるAxpo社が、Phase One社の最新P3ペイロードセンサー技術とLINIA社が提供する自動送電線検査用ドローンのソフトウェアを使用した電力設備点検の課題に対する取り組みを紹介いたします。

 供給と安全の確保

私たちは、毎日国の電力供給に依存して生活しています。私たちが電源のスイッチを入れた時、携帯電話のバッテリーを充電する時、希望する電力が提供されます。その電力を各家庭に届けるのは、数千キロメートルにおよぶ送電線です。長期間の運用を行う電力線は、様々な気象状況により故障の危険にさらされております。電力網が安定した電力を供給し続けるため電力提供事業者は送電線を定期的にチェックし、将来障害を引き起こす可能性のある損傷領域がないかどうかを確認しています。

今まで、これらの検査は特別チームによる目視検査で実施されていました。これは従業員が高所や危険な状況で作業する必要があることを意味しています。さらに、手作業による検査では、チェリーピッカーやクレーンを使用した大規模な物流作業が必要となるため、作業の中断や停電の期間が発生するだけでなく、大きな労働災害のリスクも生じていました。

そのような状況において、送電線の検査をより安全かつ効率的に行う方法の1つは、「ドローン+高解像度センサー+ドローン自動化用ソフトウェア」の使用です。

 Axpo - スイスやその周辺国へ気候に優しい電力を提供


Axpo社はパートナー企業と協力して100以上の発電所を運営しています。気候に優しいスイスの電力構成は、CO2排出量の削減のために水力/バイオマス/太陽光/風力/原子力エネルギーで構成されています。Axpo社は水力発電の最大の生産者であるだけでなく、スイス最大の再生可能エネルギーの生産者でもあり、2,200キロメートルの配電線(110/50/16キロボルト)を通じて最大3,200MW(メガワット)の容量を顧客に供給しています。
※Axpo社は、100年以上の供給経験を持ち、世界中の5,000人を超える従業員で30ヵ国以上で事業を展開しています。

ドローン飛行イメージ

 より速く、より安全で、より効率的な検査のために

7,500本の鉄塔を備えた2,200キロメートルに及ぶAxpo社の配電線では、安定性を確保するために広大な送電網のすべてを定期的に検査しています。鉄塔のマストやアイソレーターに加えて、鳥よけフード、ワイヤー、ネジなど細かな部品も検査しています。

iXM-100カメラを備えたPhase One社のP3ペイロードを購入する以前、Axpo社はこれらの送電線網の検査に標準センサーを備えた一般的なドローンを使用していました。そのため、所要時間の増加、送電線や電柱までの危険な距離、不十分なデータ品質など、何度かの稼働停止が発生しました。

地上サンプリング距離(GSD)が0.5mm/pixelの場合、一般的なカメラでは被写体から最大3mまでの距離で飛行する必要があり安全上大きなリスクがありました。さらに、コンクリート柱を完全に検査するには6枚以上の画像が必要となります。はるかに大規模なTSO(Transmission System Operator, 送電系)システムの場合、完全な検査には少なくとも2倍の画像数(12枚)が必要でGSD1.0mm/pixelを達成するには安全距離を倍加する必要があります。
GSD: Ground Sampling Distance (地上解像度)

 Phase One社のP3技術が作業を合理化!
 品質と安全性の向上させるのにどのように役立つか?

Phase One社ソリューションを使用すると、Axpo社はこれらの課題に簡単に取り組むことができます。マストを完全に表示するには最大4枚の画像しか必要とせず、高解像度のiXM-100カメラにより、より優れた詳細な画像を取得することができます。撮影距離が大幅に長くなり、より安全な距離を保って飛行できるようになります。画像の品質を失なわずドローン飛行時の離隔距離を確保できるため(さらに多くの情報が得られる可能性が高くなります)、標準化された飛行パターンを使用できるようになり生産性と品質が向上します。

また、P3システムにはレーザー距離計が統合されているため、Axpo社は常に正確な距離を決定し必要に応じて調整することができ、格子構造のマストであっても、フォーカス抜けが無く、明瞭なデータ取得を保証します。

ドローンによる鉄塔撮影

iXM-100カメラを使用しデジタルズーム機能を活用することで、情報を失うことなく高解像度で詳細な写真を生成できるようになりました。これにより目視外での制御が可能になり、後日の再表示も行えるようになりました。時間の経過に伴うグリッドの状態を長期文書化が可能となり、運用データについての深い洞察を得ることが可能です。

もう 1 つの利点は、サービス(フライトと評価)がサードパーティを介さずに全て社内で実行できるようになったことで、効率とコストの節約を実現することが可能です。

当初は大規模な画像データの処理に課題が生じていましたが、Axpo社はデータストレージ、表示、画像処理に対する新しいアプローチを決定し、ワークフローと効率性を更に合理化しました。

 ドローンアプリケーションLINIAair:
 構造化された信頼性の高いデータ取得を実現


ドローン向けアプリケーション"LINIAair"により、高速に構造化された信頼性の高いデータ取得が可能になります。

短期間に1,000本以上の鉄塔を検査する場合、安全で適切に構造化された一貫性があるデータ収集を行うにはどうすればよいでしょうか?

LINIAによる撮影ルート
飛行ルート(赤/白)、デジタルタワーモデル(青)の例
赤いピラミッドは、カメラの方向と視野を示す

LINIAは、デジタル回線データに基づいて飛行ルートを自動的に計算するため、ドローンのパイロットは、送電線鉄塔の飛行データを簡単に取得できます。
更にドローンアプリ「LINIAair」は検査プロセスをスムーズに行えるように設計されています。
現場で、パイロットはドローンアプリ上で適切な飛行ルートを選択し開始を押すのみです。Phase One社のP3ペイロードジンバルを搭載したドローンは、バッテリーがなくなるまで自動的にデータ収集を開始します。レンズのフォーカスも自動化されているため、写真がぼやけることはありません。ドローンの飛行中、パイロットの主な任務は、緊急時にドローンと周囲を監視することです。この業務を行う際、パイロット1名とドローン1台で実施可能です。(安全上の理由から通常は送電線の検査は2人で行います)

LINIAairアプリイメージ
LINIAairアプリのスクリーンショット画像
メイン画像はドローンのFPVカメラの画像
左下:Phase Oneカメラの画像、右下:飛行ルートの地図 (アプリ上で表示場所の変更可能)

ドローンによる自動飛行は、撮影時間の面で大きなメリットがあります。

  送電向け TSOタワー(220/380kV)1基を3~5分
  配電向け DSOタワー(110kV)なら2~3分
  で 撮影可能です。(各20-30枚の撮影を想定)

  そのため、15~20分のフライトで、3つのTSOタワー、または4~6つのDSOタワーの写真を取得することが可能です。

LINIAの創設者Lorenzo Arizzoli-Bulato氏は以下のように語っています。
「パイロットが道路を移動するのに必要な時間によって、1日のキャパシティは制限されます。昨年、私は1日に最大132kVの送電線を80本点検したことがありました。マニュアル操縦によるドローン点検がタワー1本に20分かかることを考えれば、これは良い数字です。しかし、ドローンがより長い飛行能力を持ち、技術がより優れたBVLOS飛行をサポートするようになれば、将来的にはもっと多くの可能性があります。」
※BVLOS(Beyond Visual Line of Sight:目視外)飛行

ただ、ドローンによる自動での送電鉄塔の検査のメリットはスピードだけではありません。

再現性   フライトルートは新しい検査サイクルでも再現可能です。
画像は、同じ位置と視点から見ることができるため、過去のデータと比較することが可能です。
結果として、予知保全に活用が可能となります。

フロー 画像の取得方法には標準的なフローがあります。
このフローにより、タワー全体を完全にカバーすることができ、すべての画像をその構造上で確認することができるため、さらなるデータ分析に役立てることが可能です。

写真とオブジェクトのリンク 飛行ルートはデジタルラインモデルに基づいています。
それにより、碍子などのオブジェクトと写真が直接リンクされます。具体的には各写真は名前が変更され、ライン、タワー、クロスアーム、パースなどの情報から構成されます(下図参照)。このメタデータはさらなる処理に使用され、適切なデータ保存を可能にします。

安全性 ラインとドローンの距離を遠距離から調整することは非常に困難です。ドローンを手動で飛ばす場合には、常に人為的な失敗の可能性があります。LINIAairはラインマン向けに設計されているため、基本的なドローンの知識があれば安全にドローンを操縦することができます。自動化され、承認された飛行ルートは、ドローンを誤操作するリスクを最小限に抑え、全体的な飛行の安全性を高める。

取込み画像
写真名に含まれるメタ情報: ライン/タワー番号、クロスアーム識別子、パース


 利点のまとめ


効率的なメンテナンス
Phase One社のP3ペイロードジンバルとiXM 100MPセンサーにより、効率はAxpo社の活動の最前線となりました。
様々な角度から高画質な写真を撮影することで、技術的な故障を検出し、発電/送電資産の正確なGPS位置を特定することで、予測的な資産評価を行うことができ、メンテナンス費用やサービスの中断を最小限に抑えることを実現します。

電力供給の迅速な復旧
Axpo社は、従来の方法と比較し、故障の特定と停電時の電力復旧にかかる時間を大幅に短縮することを実現しました。
ユーティリティ企業は、提供された画像データから問題を明確に確認し、GPSを使用してその位置を特定し、解決に向けて作業を開始することが可能です。

大幅なコスト削減
訓練を受けた専門家による現場訪問の回数を最小限に抑え、不要な停電による修理を防ぐことでコストを節約し、検査時間を大幅に迅速化し費用対効果を大幅に高めます。

資産管理の改善
長期的な資産管理には、より良い観察、詳細かつ長期的な文書化、重要な箇所のタイムリーな予防修理が欠かせません。検査の質を大幅に向上させることで、Axpo社は一流の稼働中のエネルギーインフラを管理・運営するために必要なすべての情報を確実に入手することができます。

検査の危険性を排除
安全第一。Phase One社P3ペイロードジンバルにより、Axpo社は従業員を危険にさらすことなく、危険な高所、高電圧エリア、手の届きにくい場所でも安全に資産を検査できるようになりました。


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