【2製品比較】LI-COR(旧: Anemoment)社製超音波風速計「TriSonica Mini(既存製品)」 VS. 「TriSonica Sphere(新製品)」 ―縦方向の風速計測について―

2022/03/18

超音波風速計の開発・販売を行うアメリカのメーカー、Anemoment社(現: LI-COR社)より新製品「TriSonica Sphere Wind Flux Sensor」が登場しました。TriSonica Sphereは既存製品「TriSonica Mini Wind and Weather Sensor」と比べて、鉛直方向の風速計測の精度が大きく改善され、より正確な3次元計測を可能にしたセンサとなっています。
今回はこの2製品を使用し縦方向の風速計測の比較を行いました。こちらの記事では、実際に取得したデータをご紹介させていただきます。

2製品の詳細仕様比較については、以下をご参照ください。

データシート上の風向の測定範囲

<既存製品「TriSonica Mini Wind and Weather Sensor」>

測定範囲: 0～360°(X方向、Y方向), ±15°(Z方向)

TriSonica Miniは上下に筐体があることから、縦方向の風を正確にキャッチすることに限界があります。
製品の詳細は以下をご参照ください。

<新製品「TriSonica Sphere Wind Flux Sensor」>

測定範囲: 0～360°(X方向、Y方向), ±60°(Z方向)

TriSonica Sphereは形状を球体にしたことで、流れてくる風を妨げることなく、より正確な縦方向の風速計測を可能にしました。
製品の詳細は以下をご参照ください。

※製品のデザインや仕様は予告なく変更になる場合がございます。ご了承ください。

取得データ比較

実際にセンサの真上/ 真下から扇風機で風を当て、取得データの風向の値を確認しました。

<用意したもの>

・パソコン
・TriSonica Mini スターターキット
・TriSonica Sphere スターターキット
・三脚取付アダプター
・三脚
・扇風機

<考察>

縦方向の風向角度の測定結果に以下の通り大きな違いが出ました。

・既存製品のTriSonica Miniでは、風向角度はマイナス18°前後を示しています。揺れ幅が大きく、測定結果が安定していません。
・一方で、新製品のTriSonica Sphereでは、マイナス54°前後を示しています。数値にふらつきがなく、測定結果の安定性が優れていることが分かります。