稼働中も撮影可能!最新の風力ブレードの点検技術とは?
目次
1 風力発電ブレードの重要性
2 風力発電ブレード点検の現状
3 最新技術によるブレード点検の変革
4 風力発電ブレードの撮影サンプル
5 まとめ
6 お問い合わせ
7 関連メディア
1. 風力発電ブレードの重要性
1.1 風力発電の仕組みとブレードの役割
風力発電は、風のエネルギーを電力に変換する再生可能エネルギー(※)の一つです。
風車のブレードはこの発電プロセスにおいて中心的な役割を果たします。風がブレードに当たることで回転運動が起こり、その運動を風車内部の発電機によって電力に変換します。ブレードは風速や風向に応じて効果的に動作させることが可能で効率的な発電を可能にします。このため、ブレードの設計や材質は風力発電の発電効率に大きく影響します。
再生可能エネルギーには、風力のほかにも太陽光、水力、地熱/地中熱、バイオマスなど温室効果ガスを排出せずにエネルギー生産可能なものを指しています。
※一部、経済産業省資源エネルギー庁の情報を参考にしております。
1.2 ブレード点検の必要性とその理由
風力発電の発電効率と安全を維持するためには、発電設備全体の定期的な点検メンテナンスが非常に重要です。特にブレードは強風や過酷な気象条件にさらされるため、損傷や摩耗が発生しやすく、これが発電効率を低下させたり、設備の故障の原因となることがあります。定期的なメンテナンスと点検を行うことで破損を未然に防ぎ、安全かつ効率的な発電を確保することが可能となります。
2. 風力発電ブレード点検の現状
2.1 従来の点検方法とその課題
従来、ブレードの点検方法としては、クレーンやロープアクセスによる目視検査が主流でした。これによりブレードの表面や構造的な欠陥をチェックすることができましたが、高所での作業となるため作業員の安全性に懸念がありました。また、風速により作業が制約されるため、雨や風などの天候が作業に影響を及ぼすことも多く、点検スケジュールの調整が必要でした。さらに点検の度に発電を停止しなければならず、発電効率に影響を与えることも課題となっていました。
近年、技術の進歩により風力発電ブレードの点検方法も大きく変わりつつあります。特にドローンを用いた点検技術が注目されています。
ドローンを活用することにより、従来の手法に比べて短時間かつ安全に点検を行うことが可能になりました。ドローンは短時間で広範囲を確認することができ、高画質/高解像度カメラを用いた詳細な撮影ができるため、ブレードの微細な亀裂や破損を見逃すことなく確認することができます。
これにより、従来に比べ点検可能な気象条件が緩和されたため、発電所のダウンタイムを大幅に削減することが期待されています。
3. 最新技術によるブレード点検の変革
3.1 ドローンを利用した点検の自動化
風力発電の効率を維持するためには、定期的なブレードの点検が必要不可欠です。最近では、ドローンを活用した点検の自動化効率化技術が注目されています。
ドローンの飛行安定性は向上を続けており、風が吹いている環境下でも安定した飛行を提供し確実にブレードを撮影することができます。そのため、目視点検レベルの確認においては、撮影した写真で充分に確認を行うことが可能で作業者の安全性が大幅に向上します。また、ドローンに搭載した高解像度カメラの撮影画像を確認することで、高精細に広い範囲を撮影することが可能なため、少ない撮影枚数で細かい点検が可能となり、細かなブレード表面の損傷も見逃すことなく発見可能です。
3.2 今後期待される先進的な点検技術
Phase One(フェーズワン)社は、ドローン専用に設計された1億画素中判カメラを提供する企業です。同社が提供する最新のグローバルシャッター搭載の1.2億画素カメラは、革新的な技術で風力発電ブレードの点検を効率よく実現する機能を搭載したカメラです。
このカメラに新たに搭載されたグローバルシャッターの高速シャッターを活用することにより、稼働中のブレードを停止させずに高精細な画像を撮影できるため、発電事業者は発電を継続した状態で点検を行うことが可能です。
彼らの開発した1.2億画素「iXM-GS120」カメラの主な機能は以下の通りです。
・世界初の1.2億画素グローバルシャッター搭載カメラ《NEW》
・最速 1/16,000秒のハイスピード電子シャッター《NEW》
・最速 7コマ/秒の連続撮影
・ドローン搭載用に開発された専用レンズ
製品の詳細に関しては、詳細資料をご参照ください。
高速に動作する物体を的確にとらえることができるため、風力発電ブレード以外でも、高速に移動する物体の撮影やセキュリティ分野や警備分野など、新たな撮影領域でも活用が期待されています。
このカメラは、DJI M300/350をはじめ、様々な国産ドローンにも搭載が可能で、シャッター速度、ISO、絞りなどの標準的なカメラ設定や、撮影時のライブビュー画面の確認など、地上操作者により撮影状況を細かく調整が可能で撮り損じのない撮影を実現します。
高画質/高精細な撮影を実現することで、点検速度が向上し短時間でより多くの風車を点検することが可能です。
4. 風力発電ブレードの撮影サンプル
4.1 今後期待される先進的な点検技術
実際の稼働中の風力発電ブレードの撮影サンプルを以下に示します。
下記の例は、以下の条件で撮影を行っています。
発電能力 : 6MW
撮影距離 : 25m
ブレード長 : 45m
撮影時の先端速度 : 150km/h
使用カメラ : iXM-GS120
シャッター速度 : 1/10,000秒
撮影画像のブレ : 3.7ピクセル
先端部分の拡大写真を見ても、ブレを感じさせない鮮明な画像として撮影できていることが確認できました。
4.2 撮影時のブレ計算ツール
以下のツールを使用することで、撮影対象のブレードの条件、撮影時の条件を設定することで実際にどの程度の撮影ブレが生じるかを計算することが可能です。入力内容の説明はこちらを参照ください。
5. まとめ
風力発電設備の普及に伴い、ブレードの点検技術はますます重要な役割を果たしています。
特に、風力発電機における設備稼働時間は、発電効率を維持するために欠かせない要素です。Phase One社は、そのような社会課題に対して製品独自の機能を駆使してお客様の業務効率改善の手助けとなるよう同社の技術を結集してお客様の課題解決ソリューションを提供致します。
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