【ドローン運用】GCP/RTK/PPK:いつ何を使うか、なぜ使うか
GCP、RTK、PPK - なぜ重要なの?
GCP: Ground Control Points
RTK: Real-Time Kinematic
PPK: Post-Processed Kinematic
測量士の仕事は、正確なデータを取得することです。また、データにおける正確性は測量士とその専門家の技量に委ねられています。近年ドローンをはじめとする技術の発展により、測量プロセスはより速く、安全で、効率的になりました。当初から地上基準点(GCP)の設置はドローン測量に必要な工程でしたが、GNSS技術の進歩により、リアルタイム・キネマティック(RTK)とポストプロセシング・キネマティック(PPK)の手法が進化しました。しかし、これらのプロセスにはそれぞれ長所と短所があります。
1. 地上基準点(GCP)
AgEagleのDrone Dictionaryでは、地上基準点を「正確に座標が測位できている地上の場所または物体」と定義しています。またGCPは、1~2mの相対精度から2~5cmの絶対精度までを正確に地理参照し、位置合わせするために使用されます。
長所
- 認知度と信頼性が高い
- 常に高い精度と総合的な正確さを実現
- 技術の妥当性を証明するための品質報告書の作成が可能
- プロジェクトにおける精度を一貫して検証できる
短所
- RTKやPPKに比べ、セットアップに最大で4倍の時間がかかる場合がある
- 作業エリアの広さによっては、ポイント設定に多くの労働力が必要になる
- 作業環境(場所)によっては危険性がある
- GPSローバー、ベース、VRSネットワークライセンス、スプレーペイント、ターゲットなどの追加機材が必要
2. リアルタイム・キネマティック(RTK)
リアルタイムキネマティックは、衛星ベースの測位システムから得られる位置データの精度を向上させるために使用される技術で、飛行中にジオタグされた位置を補正するために、単一の基準位置または補間された仮想位置に依存します。言い換えれば、RTKはGNSSの精度を高める補正方法です。
長所
- 危険な地形でGCPを設定する必要がないため、作業の安全性が向上する
- GCPに比べ時間の節約になり、効率的に作業を行える
- 現場でドローンにリアルタイム補正を提供
- リアルタイムでの飛行中におけるジオタギングに最適
- リアルタイム補正でGNSSの後処理が不要
短所
- ドローンにとって新しいコンセプトであり、特にドローン技術自体がまだ新しいと考えられているため、採用例が少ない
- リアルタイムでデータを処理するには、基地局、特別な機器、安定したネットワーク接続が必要
- 得られた位置情報を検証するために必要な新旧のデータを保持することができない
- オンサイトとオフサイトで同じようには動作しない
- 誤作動の可能性が高い
3. ポストプロセンシング・キネマティック (PPK)
RTKに代わる方法として、ポストプロセシング・キネマティックがあります。このキネマティック技術は、ドローンのデータを取得しアップロードした後にジオタグの精度を補正します。データはフライトデータマネージャー(FDM)で補正され、クラウドで処理されます。
長所
- 危険な地形でGCPを設定する必要がないため、安全性が向上する
- 現場でRTK接続の準備に時間がかからないため、RTK-GCP比較よりもさらに時間短縮が可能。
- ケーブルやBluetooth接続が不要なため、ベースステーションのセットアップが容易
- 信号強度や基地局からのGNSS情報にリアルタイムで依存しないため、RTKよりも信頼性が高い
- データ取得にネットワーク接続が必要ないため、より柔軟なフライトが可能
短所
- ドローンにとって新しいコンセプトであり、特にドローン技術自体がまだ新しいと考えられているため、採用例が少ない
- 飛行後の位置データ処理に時間がかかる
- 位置データ処理でミスを犯しやすく、ジオリファレンスがずれたり、プロジェクト全体のアウトプット精度が低下したりする可能性がある
まとめ
以上をもってそれぞれこのような特があることがわかります。
(1)GCPは、長年にわたり精度が実証されてきた手法ですが、より安全で迅速な方法が利用できるため、RTKやPPKが不可能な場合にのみ使用が適しています。
(2)RTKは、木や山が通信信号の邪魔にならない平坦な地形ではうまく機能します。しかしドローンと地上局の間に3キロ以上の距離があったり、木や山などの障害物があると、信号が途切れる可能性があります。
RTKを使うには、開けた地形かつ地上局から2~3キロ以内の飛行が理想的です。
(3)PPKには、RTKと似た長所と短所があります。その中でも大きな違いは、PPK法はより長いフライト特にBVLOSミッションに適している点です。
それぞれの方法に長所と短所があるのは明らかですが、全体像は同じです。GNSS技術とドローン産業の統合は、ドローンパイロットの作業改善に役立っています。
問い合わせ
eBeeビジョンシステムは、ジオサーフ株式会社が輸入・技術サポートを提供し、株式会社ジェピコを通じで日本国内で販売されています。
問い合わせメールアドレス:eBeedrones@jepico.co.jp
電話番号:03-6757-6183 (森園)
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