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【Grayhill】振動試験が製品の長期信頼性において、なぜ重要なのか

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【Grayhill】振動試験が製品の長期信頼性において、なぜ重要なのか

目次


1. はじめに

振動は電子製品や電気機械製品が、その耐用期間を通じて直面する最も一般的かつ過酷な環境ストレスの一つです。
単一の高強度パルスを生じさせる機械的衝撃とは異なり、振動は継続的な機械的エネルギーを加え、
それが時間の経過とともに蓄積され、摩耗や断続的な電気的性能の低下を引き起こす可能性があります。

自動車、航空機、産業用システム、建設機械、および携帯型機器で使用される製品は、
性能を損なうことなく、これらのストレスに耐えなければなりません。

Grayhillでは、制御された正弦波振動またはランダム振動の下で、機械構造、はんだ接合部、
コネクタ、およびアセンブリが安定した状態を維持できることを確認するための振動試験を実施しています。
この試験により、実使用環境における長期的な耐久性を確保するために必要な知見が得られます。


NASA’s Space Launch System rocket carrying the Orion spacecraft launches on the Artemis I flight test,
Wednesday, Nov. 16, 2022.
Photo Credit: (NASA/Joel Kowsky)

2. 振動試験が重要とされる理由

振動はさまざまな電子システムにおいて、現場での故障の主要な原因の一つであることが明らかになっています。
NASA、IEEE、およびIPCが発表した研究によると、振動による劣化は、はんだ接合部の信頼性、コネクタの性能、
ワイヤーハーネスの耐久性、およびPCBの構造的挙動に影響を及ぼすことが示されています。

NASAの研究者らは、振動がはんだ接合部における亀裂の発生と進展を加速させ、
機械的締結部品の緩みや劣化の一因となることを実証しました。

IEEEの研究によると、コネクタの微小な動きがフレッティング腐食を引き起こし、接触抵抗を増加させ、
電気的動作の断続性を招くことが報告されています。

さらに、IEEEの他の研究では、振動によって引き起こされるPCBのたわみや周期的なひずみが、
配線の亀裂やパッドの劣化につながることを示しています。

IPCの信頼性研究では、振動にさらされたはんだ接合部は、熱サイクルにさらされたものよりも早期破壊を起こすことが確認されています。

このように振動は単なる機械的な問題ではなく、製品開発の過程で評価しなければならない
多面的な信頼性リスクであることが示されています。


In the Rapid Prototyping Laboratory at NASA's Johnson Space Center in Houston, engineers simulate conditions
that astronauts in spacesuits would experience when the Orion spacecraft is vibrating during launch atop
the agency’s powerful Space Launch System rocket on its way to deep space.
(Photo credit: NASA/Rad Sinyak)

3. NASAのオリオン宇宙船での実際の適用例

NASAのオリオン宇宙船は、ミッションの成功において振動試験がいかに重要であるかを如実に示す良い例です。
2022年のアルテミスI号打ち上げの際、オリオンはスペース・ローンチ・システム(SLS)ロケットに乗って
軌道に投入される過程で、激しい音響振動および広帯域のランダム振動にさらされました。

NASAは、上昇段階、深宇宙での運用、および大気圏再突入中の安定性を確保するため、
オリオンの飛行用ハードウェア、アビオニクス、および構造部品に対して広範な振動試験を実施しました。
これらの試験では、過酷な動的荷重下におけるはんだ接合部、ワイヤーハーネス、コネクタ、および機械構造が評価されました。

Grayhillの「62AG Valueロータリーエンコーダ」は、この種の宇宙用途に求められる厳しい仕様を満たしました。
Grayhill製品は、制御された振動試験を通じてすべての部品およびサブアセンブリを検証することで、
「62AG Valueロータリーエンコーダ」のような製品が、アルテミスIのようなミッションで遭遇する過酷かつ
予測不可能な条件下でも性能を維持することを保証しています。

オリオンの飛行成功は、極限環境での動作が想定される機器にとって、振動認定がいかに重要であるかを実証しています。


Photo credit: NASA/Robert Markowitz

4. 振動によって明らかになる故障モード

振動によって応力が生じ、それが即時の、あるいは累積的な故障モードを引き起こす可能性があります。
一般的な問題として、以下のものが挙げられます。

・締結部品の緩み
 微小な動きにより、締結部品の予圧が徐々に失われ、構造の剛性が低下し、摩耗が増加することがあります。

・はんだ接合部の亀裂
 繰返しひずみによりはんだの劣化が加速され、微小な亀裂が生じ、それが拡大して電気的断路が発生することがあります。

・フレッティング腐食
 接合部間の小振幅・高周波動により、酸化物の破片が発生し、抵抗が増加します。

・導線の疲労
 導体の繰り返しの曲げや屈曲により、銅線が硬化し、破断することがあります。

・コネクタの故障
 保持力の不足、インターフェース形状の不備、または共振により、断続的または恒久的な接続不良が生じることがあります。

これらのメカニズムは、目視検査だけでは検出できないことが多いため、制御された振動試験が不可欠となります。


5. 振動試験を規定する規格

Grayhillは、主要な業界規格で定義された振動試験方法に従っています。
各規格は、振動下における製品の挙動を評価するための体系的な指針を提供しています。

・MIL-STD-810、Method 514
 防衛および航空宇宙分野で広く使用されています。ランダム振動、正弦波振動、
 複合振動を含む動作振動プロファイルを定義しています。実際の使用条件に合わせた試験環境の設定を重視しています。

・IEC 60068-2-6
 電子機器・電気機械部品向けの正弦波振動に焦点を当てています。共振周波数の決定や構造的完全性の検証に使用されます。

・ISO 16750-3
 自動車用途に関連する規格です。車載電子機器に対する道路由来の振動、エンジン振動、長時間耐久条件が含まれています。

これらの規格は、振動試験が実際の取り付け条件、荷重プロファイル、
および運用環境と整合していることを保証するのに役立ちます。

6. 正弦波振動とランダム振動の理解

・正弦波振動
 正弦波振動は、定義された範囲内で単一の周波数を掃引し、機械的増幅が発生する共振点を特定するのに最適です。
 エンジニアは、これらの結果を用いて、構造上の弱点や取り付け上の問題箇所を特定します。

・ランダム振動
 ランダム振動は広帯域幅のエネルギーを含み、自動車や航空機などの実際の稼働環境をより忠実に再現します。
 ランダム振動プロファイルは、正弦波試験よりも効果的に劣化を促進し、長期的な耐久性に関する懸念を明らかにします。

どちらのプロファイルも信頼性評価を行うために、併用されます。

7. Grayhillによる振動試験の実施方法

Grayhillでは、お客様の要件や業界標準に基づき、正確かつ再現性の高い振動プロファイルを生成できる
電気力学式シェーカーを使用しています。試験プロセスには以下が含まれます。

・実用的な取り付け
 製品は、実際の設置状況を模擬した金具や治具を使用して取り付けられ、現実的な応力分布を確保します。

・多軸試験
 X、Y、Z軸に沿って振動を加え、方向依存的な挙動を把握します。

・振動中の機能モニタリング
 電気的導通、作動性能、出力の安定性、および触覚的挙動をリアルタイムでモニタリングし、
 試験終了後には現れない可能性のある断続的な不具合を検出します。

・試験後の検査および検証
 試験後、部品に対して構造検査、はんだ接合部の評価、コネクタの保持力チェック、
 電気的試験、および目視検査を行い、信頼性を確認します。

8. 振動データが製品設計の改善にどのように役立つか

振動試験は、以下のような改善に役立つ実用的な技術的知見を提供します。

・PCBの取り付け部および構造用リブの補強
・配線経路およびストレインリリーフの改善
・保持力の高いコネクタの選定
・はんだ接合部の信頼性向上
・筐体設計および材料選定の最適化
・共振によって機械的応力が増幅される周波数帯域の回避

このデータにより、Grayhillは耐久性の向上、現場での故障の低減、およびあらゆる環境条件下における
製品の堅牢性の向上を実現しています。


また振動試験済みの製品は、お客様にとって以下のような重要なメリットをもたらします。

・はんだ接合部の強度の向上
・コネクタの安定性に対する信頼性の向上
・劣化による故障に対する耐性の向上
・断続的な電気的トラブルの低減
・過酷な環境や高振動環境下での耐久性の向上
・長期的な信頼性の全体的な向上

航空宇宙、防衛、産業、自動車分野のお客様にとって、これらは、ミッションの成功と安全性を確保するために不可欠です。

9. Grayhill社について

Grayhill社はアメリカシカゴに本社を構え、CANopen対応ジョイスティック・ホール式ジョイスティック含む
各種スイッチ、エンコーダー、キーパッド等をワールドワイドに提供しています。


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