【補足記事】VPT社Webinar 質疑応答文字起こしの参考和訳

目次
- VPT社とは?
- Webinar 質疑応答文字起こしの参考和訳
- カテゴリ1:プログラム、ミッション及び実績について
- カテゴリ2:試験、認定およびスクリーニング
- カテゴリ3:信頼性、寿命および故障
- カテゴリ4:製品比較およびクラス定義
- カテゴリ5:放射線およびCOTS製品へのスクリーニング
- カテゴリ6:コスト、リードタイムおよびサプライチェーン
- カテゴリ7:機能および特徴
- カテゴリ8:システムレベルの性能と解析
- カテゴリ9:製品ロードマップと今後の計画
- New Space製品関連のアプリケーションノート
- お問い合わせ
- 関連製品
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VPT社とは?
1) VPT社概要
防衛・航空・宇宙分野向けのDC/DCコンバータ、POL、EMIフィルタおよび関連アクセサリを提供するメーカーとして25年以上の歴史があり日本を含め、世界中の著名なプロジェクトで採用実績があります。
大手航空カンパニーであるHEICOグループの一員として高信頼性製品を提供しています。
2) VPT社製品の特徴
・1~250Wまで豊富なDC/DCコンバータ&POLラインナップ並びに専用のEMIフィルタを提供
・ミリタリーCOTSから高信頼性Hybrid、耐放射線スペースHybridまで各アプリに最適なラインナップを提供
・著名なプロジェクト/様々なアプリケーション実績で証明された高信頼性
・短納期での製品提供
・ほぼすべてのラインナップがMOQ1個より提供可能
・MIL-PRF-38534認定工場で生産・テストされる安心・高品質なものづくり
・製品スペシャリストによる迅速なテクニカルサポート
Webinar 質問文字起こしの参考和訳
VPT社より公開されたWebinar「New Space市場におけるコスト vs 信頼性の課題」について、
メーカーサイトにて文字起こしが公開されましたので本記事に参考和訳を記載します。
*原文と参考和訳に表現の差異等がある場合、原文版の内容が優先されます事ご了承ください。
VPT社のHPの内容を引用しております。原文記事はこちら
*質問回答各所に当社メディア記事のリンクを貼っておりますので、ご興味がございましたらご覧ください。
Webinar閲覧はこちら↓
カテゴリ1:プログラム、ミッション及び実績について
Q1. VSCシリーズに関して、衛星への搭載実績はありますか?いくつか例を挙げてください。
また、故障要件についても教えてください。
A1. VSCシリーズは新たに展開された製品群であるためこれまでの打ち上げ例は限られていますが、VSC製品はすでに1年以上にわたり軌道上で稼働しています。
なお、VPT社では、特定のプログラムと製品の対応関係については、顧客の機密情報であるため公開していません。
Q2. MEOおよびGEOミッションには、VSC、SVL、SVRシリーズのどれを推奨しますか?
A2. 具体的なミッションプロファイルによりますが、これらの軌道にはSVLまたはSVRシリーズ製品が最も適していると思われます。VPTの宇宙グレード製品シリーズについての詳細は、ぜひご確認ください。
A3. はい。SVLおよびSVRシリーズ、またはその他の宇宙グレード製品シリーズの詳細については、こちらをご覧ください。
Q4. 打ち上げロケット(Launch Vehicles)向けについてはどうでしょうか?VSCシリーズはこのようなミッションに適していますか?それともSVL/SVRシリーズの方が適していますか?
A4. VSCシリーズは打ち上げロケットにも使用可能です。VPTの製品ラインは、
あらゆる宇宙ミッションに対して適切なグレードと放射線耐性レベルを提供できるように設計されています。
最終的には、各ミッションに最も適した製品グレードを選定するのはお客様の責任となります。
試験、認定、およびスクリーニング
Q1. VSCシリーズはモールドタイプですか、それとも蓋付き/充填タイプですか?
A1. VSCシリーズはモールドタイプです。
Q2. ランダム振動試験のG rmsレベルを教えてもらえますか?
A2. ランダム振動:MIL-STD-883、Method 2026、Table I、Condition F に基づいてされています。
Q3. VSCシリーズは衝撃および振動試験を実施していますか?
A3. 機械的衝撃:MIL-STD-883、Method 2002、Condition A に基づいて試験されています。
Q4. 放射線試験と温度試験は同時に行われますか?それとも別々ですか?
A4. 別々に実施されます。
Q5. VSC製品はQCI(品質適合検査)に出していますか?
A5. 当社では社内の品質管理手順を採用しています。
Q6. VSCシリーズにはプリキャップ検査(Pre-cap Inspection)がありますか?
A6. VSC製品に対する顧客によるプリキャップ検査や最終検査は提供していません。
ただし、VPT自身によるプリキャップ検査および最終検査は、標準的な製造プロセスの一環として実施しています。
Q7. VPTはHAST試験の導入を検討していますか?
A7. 当社は、衝撃・振動試験、温度サイクル試験、耐久試験、湿度試験を含む包括的な認定計画を実施しています。
Q8. ES+を38534非気密クラスL&Fとして認定する計画はありますか?
A8. 現時点ではありません。
Q9. ロードマップについて — 将来的にブーストコンバータのような他のDC-DCトポロジーを展開する予定はありますか?
A9. VSCライン向けに新しいPOLコンバータおよびより高出力のモデルを計画しています。また、もう少し先の段階ですが、トリプル出力モデルの開発も進めています。
現時点ではブーストコンバータは製品ロードマップには含まれていません。もしブーストコンバータの具体的な用途がある場合はぜひVPTまでご連絡ください。
お客様のアプリケーションのビジネスケースに応じて、製品開発の可能性を検討いたします。
Q10. VSCシリーズのレギュレータは、ターンオン時に単調な電圧立ち上がり(monotonic voltage rise)を持っていますか?
A10. はい、当社のすべての製品と同様に単調な電圧立ち上がりを備えています。
信頼性、寿命、および故障
Q1. これらのデバイスの期待される信頼性について説明してもらえますか?
A1. 当社ではMTBF算出にMIL-HDK-217規格を使用しています。レポートは購入可能です。詳細はお問い合わせください。
Q2. これらのデバイスの寿命はどのくらいですか?
A2. MTBFはデータシートに記載されています。また、詳細なレポートは購入可能です。
MTBFレポートについて詳しく知りたい場合はお問い合わせください。
Q3. 96時間のバーンインが初期故障(infant mortality)除去に十分と判断した理由は何ですか?
A3. これは厚膜ハイブリッドのESスクリーニングと同等であり、96時間経過後に初期故障の大幅な減少が見られます。
VPTでは、最初の96時間のバーンイン後に多くの故障は発生していません。私たちはこれが、NewSpace製品シリーズにおけるコストと信頼性の最適な妥協点だと考えています。
Q4. これらの部品を故障するまで試験して活性化エネルギー(activation energy)を測定しましたか?
A4. シングルイベントについては48 MeVまでの試験を行い故障を確認しています。
Q5. VSCを信頼性の高い製品と判断した経緯について教えてください。どのような試験やサンプル数が使用され、結果はどうでしたか(例:FIT率、MTTFなど)?
A5. MTBFレポートは購入可能です。また、当社が実施した試験をまとめた認定報告書もございます。
放射線試験報告書では、製品が放射線環境下でどのように性能を発揮するかを示しています。
Q6. VPTは製造上の作業品質や不良を防ぐためにどのような製造管理を行っていますか?
A6. これは社内プロセスです。VPTは製造品質の最適化において長く成功した実績を持ち、現在ではLEO軌道から火星の表面に至るまで数万点の製品が宇宙で稼働しています。
VSCシリーズの製造プロセスはこれらの実績ある製造・検査・試験プロセスをVSCシリーズ向けに適用しており、厚膜ハイブリッドのMIL-STD-38534準拠の製造をベースとしています。
Q7. VSC製品の温度極限およびLEO放射線環境下での寿命保証はどうなっていますか?
A7. データシートに記載されているすべての制限値は、放射線照射後の性能を対象としています。
MTBFレポートは、ご要望に応じてデータシート標準の50°C以外のケース温度で算出することも可能です。
Q8. 寿命は宇宙空間にいる時間(例:TID)によるものと、サブシステムが断続的に動作している時間によるもの、どちらの影響が大きいですか?
A8. 動作時の温度が断続運転時の温度より大幅に高くない限り、その差は非常に小さく、ほとんど無視できるレベルです。
製品比較およびクラス定義
Q1. このES+コンポーネントに必要な最低限のスクリーニングはどのように定義しましたか?
A1. 最低限必要なスクリーニング工程を、可能な限りコストと時間を抑えて実施するように努めました。
Q2. ES+の信頼性はKバージョンと比べてどうですか?
A2. Class Kのスクリーニングははるかに信頼性が高いですがその分コストも大幅に高くなります。
ES+はClass Kハイブリッドと競合することを目的としていません。
Q3. 電気的な観点(仕様、部品など)から見て、ES+と認定済みSpece品に違いはありますか?
A3. はい、ハイブリッドはVSCシリーズとは異なる性能を持ちます。当社のClass HおよびK製品はVSCシリーズとは異なります。
異なる宇宙グレードシリーズについて詳しくはデータシート等をご確認ください。
Q4. 主にClass ESとClass Kの比較をされていますが、Class Hはどうでしょうか?Class Hは中間的な位置で、Kに近いですか、それともESに近いですか?
A4. すべてのハイブリッドスクリーニングレベルをまとめたものについては、詳細はこちらでご確認いただけます。
Q5. NEPP(例:NASA-STD-8739.11 または EEE-INST-002)を使用した場合、VSC(Class ES)はどのレベルに該当しますか?
A5. VSC製品はアップスクリーンされた商用部品です。これにより低価格での提供が可能となっています。
VPTではより高いスクリーニングレベルを持つ多数の部品も取り扱っています。
放射線およびCOTS製品へのスクリーニング
Q1. ファウンドリの製造プロセス変更が耐性に影響を与えていないことを確認するために、ロットスクリーニングの一環として放射線試験(SEE/TID)を実施していますか?
A1. 当社では、部品の変動を確認する目的で、SEEおよびTIDの試験を年に一度実施しています。
Q2. COTS(ファウンドリ工程のトレーサビリティがない場合)において、この種の放射線スクリーニングは必要だと思いますか?
A2. 当社ではすべてのアクティブコンポーネントを試験し、製造工程の変化を確認するために、コンバータ全体の試験を年に一度実施しています。
コスト、リードタイム、およびサプライチェーン
Q1. 各製品シリーズのコストおよびリードタイムの違いはどのくらいですか?
A1. 正確な見積もりについては、VPTまたはお近くの代理店にお問い合わせください。
A2. VSCはかなり低価格ですが、見積もりについてはVPTまたはお近くの代理店にお問い合わせください。
Q3. 認定後のBOM部品の継続供給をどのように保証していますか?
A3. 購入された部品が購入時点で公表されている仕様を満たしていることを保証します。
部品が製造中止となった場合、当社は適格な代替品を見つけるか必要に応じて再設計・再認定を行います。
Q4. お客様がDPA(破壊的物理解析)を要求すると、コストが大幅に増えることがあります。
DPAの必要性を軽減するために提供できる情報はありますか?
A4. VSC製品ではDPAは対応しておりません。
機能および特徴
Q1. 100Wを超えるVSCコンバータの提供予定はありますか?
A1. 現時点でロードマップ上に該当する製品はありません。
ただし、VSC100-2800SおよびVSC100-2800Dには複数のコンバータをパラレル接続して合計出力を増やせるシェアピンが搭載されています。
Q2. VSCのフランジ付きバージョンを開発し、SV部品とのフットプリント互換性を持たせる予定はありますか?
A2. 現時点で予定はありません。
Q3. VSCモジュールを並列または直列に接続できますか?
A3. すべてのアイソレート型コンバータは出力を直列接続できます。VSC100-2800SおよびVSC100-2800Dには並列動作を可能にするシェアピンがあります。
製品の機能や特徴、ベストプラクティスなどについては、VPT DC-DCコンバータのユーザーガイドをご参照ください。
Q4. VSC製品のSPICEモデルはありますか?
A4. 現時点ではございません。
Q5. VSCシリーズに電流制限機能を追加する予定はありますか?
A5. 現時点ではロードマップにはありません。VSCの設計では短絡保護のために出力電流に対して一定の電流制限を採用しています。
Q6. 120VDCバス変換用の同様のシリーズはありますか?
A6. VPTの120V入力対応製品はSGRBのみです。
Q7. FPGAに電源供給するPOLのリファレンス設計はありますか?
A7. 現時点ではございません。
システムレベルの性能と解析
Q1. コンバータはクローズドループシステムですが、すべての試験を行わずに解析だけでシステム性能を評価するにはどうすればよいですか?
A1. VPTは実機試験を推奨しています。
製品ロードマップと今後の計画
Q1. HクラスやKクラスと同じフットプリントで、VSCに似た製品を検討していると聞きましたが、本当ですか?
A1. 現時点ではロードマップにはありません。当社はすでにClass HおよびK製品のフルラインナップを提供しています。
A2. VSCシリーズは、POLモデルやより高出力のモジュールで拡充中です。トリプル出力モデルも開発中です。現時点では、ブーストコンバータの計画はありません。
New Space製品関連のアプリケーションノート
VPT社からはその他、New Space市場に関連するアプリケーションノートをリリースされております。
下記リンクよりダウンロードが可能です。
*原文版/参考和訳版がございます。内容に差異がある場合には原文版の内容が優先されます事、ご留意ください。
➀VSCシリーズ宇宙用COTSDC-DC_ConverterとEMIフィルタ
➁放射線への耐性保証(RHA) VPT社製New Space向けDC-DCコンバータの信頼性へのアプローチ
➂用途別DC-DC_Converterの選択
お問い合わせ
以下問い合わせフォーム、または担当者のメールアドレス/電話宛までご連絡ください。
DC-DCのご検討の際には、ご要求仕様を記入の上お問い合わせください。
お問い合わせ例)
入力電圧:50V
出力電圧:5V
電源容量:20W
温度範囲:動作温度-55~+125℃
TID:60krads (Si)
SEE:85 MeV/mg/cm2
EMIフィルタも併せて使用予定。
Mail:t_okuhara@jepico.co.jp
担当者:奥原
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