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【EtherCAT通信】モニタリングツール|EC-Inspectorとは

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【EtherCAT通信】モニタリングツール|EC-Inspectorとは
<目次>
1. 新製品EC-Inspectorとは
2. EC-Inspectorの特長
3. EC-Inspectorのシステム構成

4. EC-Inspector参考画面
5. まとめ

1. 新製品EC-Inspectorとは

EC-Inspectorは、EtnerCAT通信ネットワークの分析・診断、及び監視するためのWindows用ソフトウェアアプリケーションです。プログラムはマスターコントローラーとは独立して使用でき、既にご利用中の他社マスターメーカー(Beckhoff、Omron、Bosch-Rexroth、Lenzeなど)が提供するEtherCATマスター上でも動作可能です。EC-Inspectorは、Masterの後ろに挿入される TAP(Test Access Point)デバイスを介して、マスターとEtherCATスレーブ間のデータトラフィックを分析します。また、TAPデバイスを使用することにより、発信フレーム(マスター→スレーブ)と着信フレーム(スレーブ→マスター)の両方の記録および、評価することが可能です。


2. EC-Inspectorの特長

●ネットワークに影響を与えないEtherCAT分析
EC-Inspectorを使用する上で、ネットワーク、コントローラ、EtherCATマスターソフトウェア何れのシステムにも介入する必要はありません。従ってEC-Inspectorは新規システム(greenfield)はもちろんですが、既存システムとマシン(Brownfield)での利用にも適しています。生データ(EtherCATフレーム)はデコードされ、EtherCATネットワーク情報ファイル(ENIファイル)に基づいて、対応するシンボリック変数に関連付けられます。

●EtherCATネットワークの通信障害を分析
プロセスデータの監視に加えて、EC-Inspectorを使用してEtherCATネットワークの通信障害を分析することが可能です。EtherCATソフトウェアがスレーブのエラーカウンターレジスターを定期的にチェックしている限り、EC-Inspectorを用いて分析することが可能となり、さらにトポロジービューで障害を視覚化できます。

●デバイスに左右されることなく分析が可能
特定のTAPデバイスに依存しません。国内でのシェアが多いET2000はもちろんのこと、ETAP-1000や通常のスイッチデバイスでも使用することが可能です。また、既存のENIファイルを使用するのみなので、作業工数もかからず手軽にご利用いただけます。

3. EC-Inspectorのシステム構成

EtherCATフレームをキャプチャするには、既存のEtherCATネットワークにTAP(Test Access Point)を挿入する必要が有ります。TAPは、EtherCATマスターと先頭のスレーブデバイスの間に配置することをお勧めしますが、任意のスレーブデバイス間にインストールすることも可能です。ただし、一部のデータ(LRWコマンド)は下流スレーブの入力データにより上書きされるため、マスターの直後にTAPがインストールされている場合のみ、全ての入出力データの分析が可能です。尚、TAPのモニターポートは、標準のEthernetケーブルを介してEC-Inspectorを実行しているPCに接続されています。下図がシステム接続イメージです。




 

4. EC-Inspector参考画面

 ●プロセスデータ変数の監視

サイクリックなプロセスデータ(全ての入出力データ)のモニタリングは、EC-Inspectorの基本機能の一つです。



●スレーブの状態監視 

各スレーブのステータスはそれぞれ、視覚的に分かりやすい様色分けされ表示され(Init=白、PreOp=青、SafeOp=黄色、Op=緑)、トポロジ―ビューで素早く簡単に識別されます。


●通信障害の分析(フレームエラーやリンクロスなど)
EC-Inspectorによって記録されたデータ通信の一部には、ネットワークの伝送品質に関する情報が含まれています。
EC-Inspectorでは、それぞれの情報に応じて処理を行い、結果を視覚的に分かり易く表示します。(Grey=good、Yellow=warning、Red=Error)

例えば考えられるエラーの場所と原因は、スレーブ及びスレーブ固有のエラーカウンター(ケーブルの不良またはプラグの接続不良)から特定できます。トポロジ―ビューではこれらに対応する記号で表示され、さらに発生した全ての新しいエラーについても記録されます。


●過去にキャプチャされたフレームの処理
EC-Inspectorでは、過去に記録されたデータ(Wireshark PCAP fileなど)を評価することも可能です。この機能では、通信障害の簡単で素早い検出、及び全ての入出力データの解析が可能です。



PCAP fileを読み込んだ後、様々な速度かつ個々のステップ(サイクル)毎に評価することができます。EC-Inspector内の操作は、入力信号(オシロスコープのサンプルによる)がPCAPファイルから決定される点で、オシロスコープと似ています。

スレーブの状態が変更される(例えば、OPERATIONALからSAFEOPへ)と、タイムスタンプ付きのログエントリがメッセージウィンドウに作成されます。これにより、エラーが起きた正確な時刻を特定できます。


また、対応するトリガー機能と検索機能により、特定のエラーなどが検出された場合に、ターゲットを絞った方法で記録を停止することができます。例えば、特定の変数値に達したとき、スレーブが動作状態でなくなったときは記録を停止することが可能です。

5. まとめ

EC-Inspectorをご利用いただくとネットワークの分析や解析、モニタリングを行うこと可能です。ツールを使用する上で、マスタメーカーの依存も無くハードウェア的な縛りもなため、手軽にご利用いただけます。
また単にネットワークの分析を行うだけでなく、上記イメージ画像のようにエラーなどの問題は可視化されるため、一目で認識することが可能です。

これまでトライアンドエラーで検出されていたネットワークエラーを、手軽にスピーディーに検出されたい方へオススメのソリューションとなっています!

●EC-Inspector特長まとめ
-既存のマスターコントローラとの統合の必要なし
-特定のTAPデバイスの必要はなく、通常のスイッチデバイスでも使用可能
-既存のネットワークとアプリケーションに影響(タイミング、不可など)はありません
-既存ソフトウェアへ変更を加える必要はありません
-既存のENIファイルを使用するため、開発工数がかかりません
-様々メーカー(Beckhoff, Bosch-Rexroth, Omron, Yaskawa, etc.)のコントローラによって操作されるマシンを分析可能



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