お問い合わせお問い合わせ
ダウンロード資料
ダウンロード

ジェピコメディア

  1. TOP
  2. ジェピコメディア
  3. メーカー情報 acontis
  4. EtherCAT通信|マスタースタック"EC-Master"とは

EtherCAT通信|マスタースタック"EC-Master"とは

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
EtherCAT通信|マスタースタック"EC-Master"とは
<目次>
1. はじめに
2. EtherCATマスタの選定方法
3. EC-Masterの特徴

4. まとめ



1. はじめに

 現在、世界中で広がりを見せている産業用Ethernet規格の一つにEtherCATがあります。EtherCATは2003年にドイツのベッコフオートメーションにより開発されたリアルタイムイーサネットフィールドバスとなり、その後 EtherCAT協会(ETG:EtherCAT Technology Group)によりオープンバス化されました。ETG加盟企業は5000社を超え欧米を中心に採用が進んでいます。日本においても2016年にトヨタ自動車が自社生産工場での採用するとのアナウンスが火種となり、近年 急激に需要が増えている状況です。
 そんな注目されているEtherCATですが、本記事ではドイツのacontisが提供するEtherCAT用 マスタースタック(ミドルウェア) "EC-Master"の特長に関して紹介します。


2. EtherCATマスタの選定方法

従来のフィールドネットワークでは、マスタ(コントローラ)に専用の通信チップを実装しネットワークを構築するのが一般的でした。しかし、EtherCATではその必要がありません。Ethernetポートが標準装備されているPC並びにコントローラであれば、規格に沿ったミドルウェアの実装のみで、EtherCATマスター化が可能となります。
つまり、特別なハードウェアの増設なしにEtherCATの通信を実現することが可能です。

EtherCATのマスタを選定する際、お使いの現システム環境並びに実現したい機能により下記のような方法が考えられます。

①スクラッチ開発
オープンソースで提供されているEtherCATマスタスタックを使い、自分達でスクラッチ開発する。
メリット:  オープンソースのマスタミドルウェアを使用するためランニングコストは最小限となります。
デメリット: スクラッチ開発のため開発工数がかかります。またマスタ規格の知識など技術的ハードルが高いです。

②サードパーティーのミドルウェアを実装
サードパーティーより、最適化されたEtherCATマスタミドルウェアを購入し自分達のハードウェアへ実装する。
メリット:  自分達のハードウェア環境に合わせた実装により、自分達の実現したい機能構築が可能となります。
デメリット: 出来合いの製品利用に比べ開発工数がかかります。また案件規模によっては初期費用が割高になります。

③EtherCATマスタ搭載ハードウェアを利用
既に多くのハードウェアメーカーが①②の方法にてEtherCATマスタミドルウェアを実装した産業用パソコン/インターフェイスカード/PLCなどを販売しており、それを使用するのも選択肢の一つです。
メリット:  システム構築が簡単で開発工数も最小限で済みます。
デメリット: 機能は固定され自分達の要求に合致しない可能性があります。またランニングコストは高いです。

本記事で紹介するacontisのEC-Masterは上記②に該当します。自社ハードウェア内のSoCやFPGAにマスターを組込、開発することををお考えの方へ特にオススメです。PCベースでEtherCAT環境を構築したい方へは acontisのEC-Winがおすすめです。EC-Winに関してはこちらを参照ください。また③に該当するacontisのEC-Masterを実装したハードウェアベンダの紹介も可能です。詳しくは弊社営業担当まで問合せください。


3. EC-Master特徴

acontisのEC-Masterは様々な組込リアルタイムOS上での動作に特化した設計をしており、最適化されたEtherCATマスタースタックソフトウェアです。特徴は以下の通りです。

・実装が容易
・EtherCAT Master Class 指令 (ETG1500)に完全準拠
・様々なプラットフォームに対応
・世界各国での幅広い分野での採用実績
・Masterの二重化


【実装が容易】
EtherCAT通信ではその高速性を担保するためRTOSとの併用が一般的です。またEthernetベースとなるので実装されているNIC(Network Interface Card)との相性も性能を生かすために重要なファクタとなります。acontisはEC-Master(EtherCATマスタ用ミドルウェア)を提供するのみならず、RTOSとNIC間のやり取りを最適化するために専用のドライバをあわせて提供します。マスタ通信のコアとなるこの最適化されたドライバーを提供することで、ユーザーは下記図のアプリケーション層を開発するのみで簡単にEtherCAT高速通信を実現することが可能です。


図: EC-Masterが実装されたマスタ概要 

【EtherCAT Master Class 指令 (ETG1500)に完全準拠】
EC-MasterはETGが制定しているEtherCAT Master に要求されている規格 ETG1500に完全準拠しています。下記図の通りClassAとClassBの2種類あります。また、6つのFeature Pack (オプションパック) にも完全対応しています。

図:ETG1500規格概要

※ Class Aには、Distributed Clocks が搭載されています。モーションコントロールなど同期制御が必要な際はClassAを選定下さい。

【様々なプラットフォームに対応】
acontisでは世界中の様々なプラットフォームを使用するお客様を抱えることから、OSとCPUのドライバーの組み合わせが非常に豊富です。また、万が一ご希望の組み合わせが無い場合にもカスタム対応もしております。EC-Masterは汎用性が高く様々なCPU/リアルタイムOSへのポーティングが可能です。各々のNICやリアルタイムOSに対して最適化されたドライバーを提供されており、ユーザーの望むプラットフォームで最短期間での導入検討を可能にします。下記図はサポート実績のあるCPU/リアルタイムOSです。

図:実績CPU/リアルタイムOS

【世界各国での幅広い分野での採用実績】
EtherCATは元々産業の自動化を図ろうと、産業用ネットワークとして誕生しました。しかし現在では、計測や医療、航空宇宙市場など当初は想定していなかった幅広い市場でEtherCATが採用されています。acontisの提供するEC-Masterは、各分野の主力ベンダーにて採用実績があり、多くの高評価を得ています。

(採用市場)
・インダストリアルオートメーション
著名なPLCや産業用PCベンダーにおける採用実績も豊富にあり、世界各国の工場でEtherCATは運用されています。
・半導体
半導体製造装置の標準バスとして採用が進むEtherCAT、多くの半導体製造装置メーカーで実績があります。
・ロボット
高速なモーション制御もEtherCATの得意分野です。
・計測器
多点のデータをトポロジ関係なく高速で収集できるという点で注目され、採用が増えている市場の一つです。
・鉄道
鉄道の線路の切り替えシステムなど、高い安全性・安定性が求められる箇所でも採用されています。
・建機市場
近年CANやLIN通信の置き換えとしてEtherCATの採用が増えています。
・医療
コンピュータトモグラフィや外科手術ロボットなど信頼性が要求されるアプリでも採用されています。

その他にも、風力・電力などのエナジー系や防衛・宇宙分野など世界中の様々な市場でEtherCAT並びにEC-masterは採用されています。

【Masterの二重化】
acontis独自の技術としてMasterの二重化機能があります。Masterを二重化することにより、仮に1つのMasterがダウンしても、片方のMasterが処理を引き継ぎます。工場の製造ラインの中でもシステムの故障やダウンが許されないミッションクリティカルなアプリケーションより多くの支持を得ています。


4. まとめ

  EC-Masterはユーザーの要求するプラットフォームに対応し世界各国での様々なアプリケーションで実績のある非常に信頼性の高いEtherCATマスターソリューションです。自社独自のプラットフォームでマスタコントローラを手軽かつ高品質な製品を開発したいユーザーに最適です。

acontisメーカーページはこちら
EC-Master資料はこちら

acontisメーカーHPはこちら
よりご確認いただけます。

ご質問等ございましたら、お気軽にお問合せください。
担当者:小池 03-6362-0704(ダイヤルイン)
上記電話番号はダイヤルインのため、担当者が対応できない場合もございます。

担当者不在の場合には、お手数ですがお問合せフォームよりお願いいたします。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加