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【Blackmagic Design】In-house Scene 事例紹介!!

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【Blackmagic Design】In-house Scene 事例紹介!!
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、企業の活動にも変化が起き始めていて、ライブ配信や動画マーケティングの活用が進んできています。それに伴い、外部の映像専業会社に委託していたような案件も、社内で内製化する企業が増えてきました。

今回は、地域電気通信を担い、広いICTソリューションにより地域を支えるNTT東日本のライブ配信や動画制作内製化の取り組み、またその内製化の取り組みを転じて地域課題解決に繋がっている事例等について、同社の吉村健二郎氏および久世大氏にお話を伺った記事になります。

スピード感を重視して、有志による映像活用推進チーム「V-TECHX」を発足

吉村氏:

弊社は、東日本全域のお客様の通信サービスを支えるため、北海道から長野までの東日本計17県域に29の支店を配置して日々の業務推進をしております。29支店と多拠点で業務運営している上に、在宅を含めたハイブリッドワークを推進していることから、社員が集合して実施するイベントが減り、会社全体の一体感を醸成することが難しくなりました。
弊社では年間を通じて、社長や登壇者が社員に向けてメッセージを伝える事業計画説明やカンファレンス、各エリアの社員が参加する様々な社内イベントを行っていましたが、そういったイベントをリモート環境でも実現すべく、オフラインからオンラインでのイベント開催に移行していきました。
この他にも、集合できない、顔を合わせることができない代わりに、社内の活性化のためオンラインでのイベントを頻繁に開催していこうとなりましたが、企画を建て付けた後にライブ配信を外注していると、想定したイベント開催に間に合わないようなことがあり、企画と並行して進められるようライブ配信の内製化に取り組み始めました。
同時期に、ベテラン社員のみが保有する希少技術の技術継承課題に対して、映像を活用して課題解決するような施策も進んでいたことから、それらの映像活用に価値を感じていた有志メンバーを束ねて、映像活用推進チームが発足し、本業の合間に集まって試行錯誤しながら1年間かけて会社内の映像活用推進・内製化を進めていきました。


社内に配信スタジオや編集スペースを構築

久世氏:

本社の会議室を常設の配信スタジオとして使用しています。イベント内容によってカメラの台数や部屋のレイアウトを変更し柔軟に対応します。ATEM Mini ProやOBS等のソフトウェアスイッチャーを活用して絵作りやシーンの切り替えを行い、Microsoft TeamsやWebEXのようなコミュニケーションプラットフォーム、またNTTコミュニケ―ションが提供しているSmart vLiveを使いライブ配信をおこなうことが多いです。また、オフィススペースの一角に編集用のPCや機材を置いて撮影した映像の編集スペースとして活用しています。

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本社ビルの会議室に配信関連機器を導入し、簡易的な配信や撮影時に配信スタジオとして利用

実際に行ったインハウス事例

■社長キャラバン

久世氏:

例年、社長が各県等域を訪問し、事業計画をオフラインで社員に説明する機会を設けていましたが、新型コロナウイルスの流行により社長の現地訪問が難しくなりました。2021年度に開催した本イベントについては、本社の会議室にカメラやスイッチャー、配信用のPCなどを設営し、社長から各県等域の社員に向けた事業計画説明をライブ配信で行いました。絵作りやカメラのスイッチング等を工夫し、オンラインではありつつも、臨場感を与える演出をしたことや、オフライン開催と比較し、場所や時間の制約なく多くの社員に視聴してもらうことができたことから、社内でも好評をいただきました。

久世氏:

また、実は以前から、新春の挨拶のような社長メッセージは動画コンテンツとして外注で制作していたものの、きちんとポストプロダクションを経たもののため、失敗テイクなどは使われることはなく、内容としてはかなりかっちりしたものでした。
しかし、社長キャラバンを社内でライブ配信したことで、自分たちには遠い存在だった社長や役員たちが配信中に自然に掛け合いしながら話す様子を見て、今まで見えてこなかったパーソナルな部分を知り親近感が湧いたなど、当初は想定していなかったポジティブな意見も多くいただくなど、今までになかった「ライブ配信」という文化を社内に浸透させるきっかけとなりました。
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■技能競技会

久世氏:

弊社では毎年1月に、社員の設備の構築、保守等業務運営にかかわる技術力を競うイベントを開催しており、かつては東日本全体から多くの参加者が弊社の研修センタに集まる社内最大規模のイベントの一つでした。しかし、新型コロナウイルスの流行により、2020年度は各競技に選出された選手が与えられた競技内容を選手が所属する自拠点にて事前収録し、その様子をイベント期間中にオンラインにて配信しました。
2021年度は、オンラインイベントをより充実させるため、一部競技を映像活用推進チームと競技運営チームが一体となってライブ配信に挑戦しました。東京、埼玉、宮城、北海道の各競技会場に29か所の競技ブースを設営し競技が開催され、配信ではオンラインの視聴者も競技の一体感を感じながら視聴できるよう各ブースに設置したカメラ映像を配信画面上に分割して同時に映したり、進捗の良い選手や動きがあったブースをピックアップする等、オンライン配信ならではの競技感を演出しました。
また、社員による実況解説や、会場レポーターによる競技会場の緊張感や盛り上がりのレポート、競技前後の社員の様子の配信など、オンラインで誰しもがライブ配信にアクセスできからこそ、専門知識がなくても飽きないような配信内容を工夫しました。

久世氏:

競技ブース数も多く、複数拠点の映像を集約した規模の大きいライブ配信イベントだったため、配信機材やネットワークが充実しているeXeField AKIBAを利用してライブ配信を行いました。競技ブースや競技会場のレポーターなど30を超える各競技会場からの映像ソースの伝送については社内で日常的に使われているMicrosoft Teamsを活用するなど、運営者の作業のしやすさを考慮した配信構成を検討しつつ、映像活用チームと競技運営チームと連携して何日もかけてリハーサルを繰り返すなど事前準備をしっかり行うことで、大きなトラブルなくライブ配信を終えることができました。
本競技会のライブ配信を内製化することで、キャッシュアウトを抑制するだけでなく、コンテンツをより魅力的に見せることができました。例えば、難易度が高い問題や作業については普段の業務の実体験や苦労を交えて解説することで、業務に従事する社員には共感を得られ、業務内容に明るくない社員にも分かりやすくなっており、配信のシナリオも「どのタイミングで選手が絵として映える動きをするか」「業務従事者が最も見たい画角はどこか」などの競技のポイントを理解したうえで配信を組み立てられたので、競技の面白さを引き出すことができたと感じています。
2021年度はあくまで一部の競技のライブ配信でしたが、蓄積したノウハウや経験を活かし、2022年度はより多くの競技を社内のリソースだけでライブ配信を実施しました。

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オンラインとオフラインのハイブリッド化

吉村氏:

最近の社内イベントではオフラインとオンラインのどちらの良さも生かすハイブリッド開催がスタンダードとなっています。
オフライン開催では会場の盛り上がりを体感したり、登壇者の思いのこもったメッセージを直接聞くことができる等、現地でしか感じることができない熱量があります。一方、例えば技能競技会では、応援する社員も自分の職場からバスで研修センタまで移動して現地参加していましたが、もちろん全ての社員が行けるわけではありませんでした。会場のキャパシティや移動、時間の制約がある中、オンライン開催は、自席から参加できるといった点も視聴者には大きな利点となり、視聴数もオフラインで開催していた時と比べて増加しました。
また、オンラインならではの情報の補足や、現地ではなかなか見ることができない画角からの映像を見ることができるなど、視聴者が欲しい情報へのアクセスのしやすさが格段に向上していることや、視聴履歴やログから視聴者がどのようなコンテンツに興味を持っているかを分析することができ、今後のコンテンツの品質向上に役立てられることもメリットとして感じています。

社内でライブ配信を実施するための環境整備

久世氏:

多くの社員がライブ配信の案件に関わっていく中で、配信環境を整える動きも出てきており、各組織にて映像機材を購入したり配信スタジオを作り自主的にライブ配信や映像制作をおこなっているエリアも出てきています。ライブ配信や映像制作に関するライブ配信を行う上での機材としては、ATEM mini Proなどは安価で導入しやすいため、現在多くの組織で導入されています。一部の拠点ではATEM Mini ExtremeやATEM Mini Extreme ISOなどの上位機種を導入していますが、UIや機能面もATEM Mini Proと基本的な部分は一緒なので使いやすいと好評です。
また、機材をブラックマジックデザインの機器で統一することで、各機器の機能を最大限生かせることもあり、ブラックマジックの製品で統一して機器をそろえ始めているエリアも出始めています。

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ブラックマジック社製品を多くそろえたライブ配信スペース

技術マニュアルのVOD化

吉村氏:

内製化でのもう1つの取り組みにマニュアル動画の制作があります。様々な地域課題解決に取り組みの活動を強化しており、その中ではIoTセンサーを河川などの自然環境に設置したり、AIカメラを店舗等に設置したりと環境もさまざまです。それぞれの設置環境に対応した紙の作業マニュアルを作ろうとすると、どうしても分厚い紙マニュアルになってしまいます。それが現場での利用促進に繋がらないことに繋がり、技術の浸透に時間がかかってしまいます。四肢の動きと環境がわかりやすく伝わるよう、マニュアルを紙に落とし込むのではなくより視覚的に情報を得ることできる動画マニュアルを作り始め、様々な環境ごとの設置方法を現場現場から発信してもらう情報構造に移行して、双方向で映像マニュアルが発信されるような構造に移行を進めました。

ポストプロダクションはDaVinci Resolveで

吉村氏:

動画マニュアルを作り始めた当初は安価なカメラを使っていましたが、映像のクオリティを高めるべくBlackmagic Pocket Cinema Camera 4KやSONYのカメラを導入しました。
編集用にタワー型PCを2台、ラップトップPCは数十台を用意しています。これらが弊社の光回線の配下に、同一LAN内でNASにアクセスできるようになっています。編集には色々なソフトウェアを試していましたが、インタビューやPR動画をはじめ、ライブ配信イベントの事後アーカイブ映像など映像制作の案件が増えてきた結果、複数人で同時に同一プロジェクトを編集したり、シームレスに引き継ぎをしながら対応する必要性が出てきました。そんな時にDaVinci Resolveのコラボレーション機能を知り、すぐに社内に取り入れ実践を行いました。

コラボレーション作業が効率化のカギ

映像のプロではない我々が、効率的に動画を作るためには過去のプロジェクトで使った素材や設定をうまく流用することが重要だと考えています。各案件にフィットさせるために作る新たな部分を検討するクリエイティブな作業に時間をかけたいと考えているため、コラボレーション機能は編集時間の時短にとても有効です。現在は、オフィスに来なくても編集作業をクラウド上で行えるように環境を再構築するなど、最適な作業環境の構築を進めています。

また全社的な広がりを意識し、各県等域の映像制作内製化のメンバーたちもポストプロダクションにDaVinci Resolveを勧め、統一的なソフトウェアを使うことでの本社で蓄積してきたプロジェクトや作業の知見などを展開できるような体制づくりを目指しています。

内製化による大幅なコストダウンと新たなビジネス

吉村氏:

10人足らずで始めた活動でしたが、現在では映像活用は広く社内でも受け入れられていると感じています。現在では本社に映像活用を主業務とする組織が発足し、また東日本全体ではという形で500人程度のメンバーが組織・エリア横断で映像活用推進に携わっています。

今では普段の生活の中でも動画が溢れていて、映像活用自体に興味を持っている社員は増えてきていると思います。そういった社員が自らの業務に映像を取り入れるだけでなく、映像活用をしているバーチャルチームの存在を知り、手を挙げて一緒に活動してくれるメンバーが増えてきています。バーチャルチームで活動する中で、これまでにない新たな映像活用のシーンに触れることが刺激になり、自ら映像スキルを伸ばし、社内の映像を使った業務改革で実践をし、映像活用施策を次々と増やしていくといった好循環が進み、現在の弊社の映像活用の普及に繋がっていると思います。

小規模なイベントから1000人以上が参加するオンラインカンファレンスや様々な映像コンテンツを自社で手掛け、内製化の領域を広げることにより、チーム発足から1年で2億円相当のキャッシュアウトを抑制することができました。

他のインフラ業界でも弊社の競技会のようなものを実施していたり、マニュアルに関しても動画で制作したいと考えていたりする企業は多くいらっしゃいますが、弊社でのオンライン競技会の経験やマニュアル動画制作のお話しすると、「うちも手伝って欲しい」と言われることが増え、現在は社内の活動だけでなく企業様の動画の制作やライブ配信の内製化の支援をする事業をし始めました。

DaVinci Resolveに関しては無償で使えるので、弊社がサポートする企業様にも提案しやすいです。こういった映像活用推進の内製化は、小規模で始めることが殆どで、その初期においてお金がかかることで、最初の一歩が切れないということがよくあるため、新たな一歩をスモールに始めるに最適なものだと感じています。 今後は映像活用技術の更なる高度化及び業務領域の拡大にもチャレンジしていきたいと考えています。

映像制作やライブ配信の高度化としては低遅延・高画質の配信の検討を進め、よりリアルタイムに現地とリモート拠点を繋ぎオフラインとオンラインのハイブリッド化の強化を図っていきたいと考えています。また、サイネージやAI等と紐づけた行動分析等、映像と他の技術を組み合わせる新たな映像活用領域にも踏み込んでいくことも検討しています。

NTT東日本というと、古くは電話の会社、現在はフレッツ光の会社、というイメージが強いと思いますが、「地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業」を目指すという方針を打ち出し、課題解決にとどまらない、地域の価値創造を実現することに取り組んでいます。今後は社内活動にとどまらず自治体や企業の支援にも注力し、映像活用による新たな価値を世の中に提供していきたいと考えています。

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株式会社ジェピコ 特販営業部 フィールドセールスグループ
担当 伊藤恭祐(イトウ キョウスケ)
メール k_ito@jepico.co.jp 

 
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