＜目次＞

1. Tadiran社とは
2. 様々な自動車用途に使用されているTadiran社の各種バッテリ
　 1) eCall向け＝TLMシリーズ（Tadiran Lithium Metal Oxide）
 　2) Telematic units 向け＝TLIシリーズ（Tadiran Li-ion）
 　3) タイヤ空気圧センサー、エアバック、電子タグ＝LTCシリーズ（lithium Thionyl Chloride - LiSOCl2）
3. 御検討にあたり
4. お問い合わせ先

１. Tadiran社とは

 1) Tadiran社とは

Tadiran社は1962設立の老舗の電池メーカーです。世界で初めて塩化チオニルリチウム電池を開発したメーカーで、現在においても塩化チオニルリチウム電池市場において世界トップシェアを誇っています。
現在Tadiran社はTotalグループのSaft社の子会社となり、太陽光における長期間蓄電技術においても最先端技術を提供しております。

2) 弊社とTadiran社の関係

弊社ジェピコは30年以上Tadiran社の日本の総代理店として関係を構築しており、継続して国内のお客様の様々な用途に対し、標準品や特注品を御提案、販売させて頂いております。

3) Tadiran社製品の特徴

・豊富なラインナップ(単電池容量:0.55Ah～35.00Ah)
・自社開発のキャパシタとER電池を組み合わせた高パルス対応電池パック"PulsesPlus"のような独自製品の展開
・基盤取り付け型、ハーネス取り付け型などの豊富な端子形状で供給可能
・円筒からコイン型まで様々な形状ラインナップで対応
・組電池のカスタム対応が可能
・他社製の塩化チオニルリチウム電池(ER電池)との互換提案が可能です。

２．自動車用途に使用されているTadiran社の各種バッテリ

1) eCall向け＝TLMシリーズ（Tadiran Lithium Metal Oxide）

eCallは、ヨーロッパの自動緊急通報システムです。現在、ヨーロッパで製造されたすべての新車に標準装備が義務化されたeCallシステムは、車に重大な事故が発生したことを検出し、車の正確な位置、進行方向、乗客数を緊急救急隊員に自動的に連絡します。これにより緊急サービスチームは、応答時間や緊急事態が発生している場所などの把握に要する時間の短縮出来、より多くの命を救う事が出来る様になります。ACU-IIは、スマートフォンアプリを介して、車両の位置を追跡し、車両操作の特定の側面を制御することもできます。多くの自動車事故の場合、車のバッテリは機能を失う可能性がある為、このようなシステムの動作を維持するためにはバックアップバッテリが必要になります。Tadiran社のTLM（Tadiran Lithium Metal Oxide）シリーズのバッテリは、非常に広い温度範囲で高出力が提供出来るため、この用途に適しています。TLMシリーズは、自動車の緊急時の極端な衝撃や振動に耐えながら、10年以上にわたって緊急通信充電に電力を供給するのに十分なエネルギーを保持できる小型のバックアップ電源ソリューションを提供します。

2) Telematic units 向け＝TLIシリーズ（Tadiran Li-ion） 

高級車のテレマティックユニットやGPS追跡システムにはTLI（Tadiran Li-ion）バッテリが使用されており、何年間もスタンバイ状態であった後でも、盗難車の捜索や発見の際に、信号を発信する為の動作に必要なパワーを提供します。またTLIは充電式の要件にも対応可能です。

3) タイヤ空気圧センサー、エアバック、電子タグ＝LTCシリーズ（lithium Thionyl Chloride - LiSOCl2）

Tadiran社のLTC（lithium Thionyl Chloride - LiSOCl2）バッテリはその他の様々な用途に使用されております。3) Tadiran社のLTC（lithium Thionyl Chloride - LiSOCl2）バッテリはその他の様々な用途に使用されております。

① タイヤ空気圧モニタリングシステムたとえば、ドイツの自動車メーカーは、リムの各ホイールの内側にTadiranLiSOCl2バッテリを配置し、タイヤ空気圧監視システムに使用されています。優れた温度安定性により、F1レーシングカーの足回りにも使用されており、圧力と温度のデータを送信するための信頼性の高いパワーを提供します。峠におけるテストではブレーキディスクの温度が900°Cに達し、タイヤ内の温度が100°Cを超えました。瞬間的温度の上限が170°Cであった同社のバッテリは何も問題が発生しませんでした。道路やダイノ（DYNO）における高速運転による試験では、同社のバッテリセルは300km/h以上、機械的衝撃100gハーフサイン、静的遠心力2,000gに耐えました。

② エアバック更に信頼性は、エアバッグシステムでの採用実績で裏付けされています。万が一他の電力が利用できない場合、Tadiran社のリチウム電池はガス発生器を点火してエアバッグを膨らませます。

③ 電子タグバッテリは、車の特徴である厳しい環境温度（–55°C〜125°C）サイクルに対応できるため、電子料金タグの主要メーカーによって選択されています。フロントガラスは、駐車時に太陽熱にさらされ、113°C（SAEによる）に達する可能性があり、運転時には室温まで急速に冷却されます。その逆の寒い天候では、フロントガラスは冷却状態にあり、急激な温度上昇に対応する必要があります。



Tadiran社のセルは完全に密閉されています。円筒型のバッテリに採用されているLiSOCl2テクノロジーは、その高エネルギー密度、大容量、低自己放電率、および圧力、温度、衝撃の幅広い変動に耐える能力があるため、様々な低電流アプリケーションに特に適しています。


その他シリーズ詳細はこちら

３．ご検討にあたり

Tadiran社製品は最も耐環境性能に優れた産業用一次リチウム電池であり、電圧、寿命、使用温度範囲、安全性、保存性において多くの優位性を持っています。これらの特性やラインナップの豊富さより、皆様が設計する機器の要求にあわせた提案が可能となります。

こちらのリンクにある「質問票」の日本語又は英語のいずれかのシートにご記入頂き、メール添付にてお問合せ下さい。
TADIRANバッテリ質問票

質問票の内容に不明箇所 ( どのように記載すればよいか分からない ) がある際は、弊社営業担当に相談ください。また、電流仕様などに関して質問表のフォーマットでは表現しづらい場合は、お客様オリジナルの資料で説明いただいても結構です。御記載いただいた質問表をもとにTadiran社が仕様を確認し最適なソリューションを提案します。

＜お客様自身で電池選定する際の注意事項＞

お客様の電流仕様並びに希望動作寿命より必要容量を算出して、それに沿った電池を選定するケースがございますが、これは実際の動作寿命に繋がらないケースが殆どです。なぜならば、電池の自己放電電流、保存期間、動作温度環境、ロット特性など寿命に影響を与える様々な外的・内的要因を予測しにくいためです。Tadiran社には長期にわたる経験があり、この要因分析のノウハウを保持しているため、最適な電池、または電池構成を御提案することが可能です。新規開発検討時は是非Tadiran社の提案まずご確認頂く事を推奨させて頂きます。

４．お問い合わせ先

下記メールアドレスからもお気軽にお問合せください。
担当部門 ：　特販営業部
メール　 ：　tadiran@jepico.co.jp