月面ローバーを支える海外メーカーのご案内

月面を動き回るための車、月面ローバーをご存じでしょうか?
まるでSFのようなこの技術はすでに現実となっていて、近年さらに進化しようとしています。
月面を走るためには過酷な宇宙環境に耐えられるための”特注の部品”が欠かせません。
本記事では月面ローバー向けに当社で取り扱ってるメーカーをいくつかご紹介させていただきたいと思います。
ご紹介メーカーは以下の通りです。
1. VPT (電源)
2. 3D PLUS(カメラモジュール)
3. Isabellenhutte(ヒーター)
4. Xiphos(OBC)
5. Spectrolab (ソーラーセル)
1. VPT (アメリカ)
防衛・航空・宇宙分野向けのDC/DCコンバータ、POL、EMIフィルタを提供するメーカーとして25年以上の歴史があり日本を含め、世界中の著名なプロジェクトで採用実績があります。
1. 豊富な実績
VPT製品は世界中の防衛宇宙のプログラムに採用実績あります。
2. 高信頼性
MIL-PRF-38534認定工場での製造・試験を実施し、MIL認定品を供給しています。
3. 幅広い製品ラインナップ
DC-DCコンバータ、EMIフィルタなど、様々な入出力に対応した製品を提案しています。
4. 省スペース、軽量
高出力密度の小型で軽量な製品が多く、製品設計に寄与しています。
#100V/ 120Vバス用 DCDCコンバータ SGRB シリーズ
近年月面に向けた開発が世界各国で加速している中で、VPT社の子会社(EPC Space社)のGaNFETsを採用したDCDCパワーモジュールを開発しました。月面以外の用途もありますが、多数引合いをいただいています。
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【SGRB シリーズラインナップ】
*型番をクリック頂くとメーカーサイトへ遷移いたします*SGRB90433 | SGRB12015S | SGRB12018S | SGRB12028S | SGRB12050S | |
Input Voltage (Continuous) |
85V to 113V | 95V to 140V | 95V to 140V | 95V to 140V | 95V to 140V |
Input Voltage (Transient@1sec) |
120V | 150V | 150V |
150V | 150V |
Output Voltage | 13V~17.5V (Adjustable) |
12V~16.5V (Adjustable) |
16V~23.5V (Adjustable) |
12V~28V (Adjustable) |
40V~55V (Adjustable) |
Output Power | 420W | 400W | 400W | 400W | 400W |
Efficiency (Typical) |
95% | 93.5% | 93.5% | 95% | 95% |
*VPT社の他仕様の製品をご検討される場合は、こちらのページをご参照ください。
VPT社製品 宇宙用DCDC Converterのスペック比較
2. 3D PLUS (フランス)
3D PLUS社は3次元スタック技術により、高密度、高速、省スペースを実現したフランスの高信頼性メモリメーカーです。 (各種メモリ、POL、Current Limiter等) 1995年設立以来、宇宙用途の耐放射線メモリを中心に製造しており、近年では宇宙用のカメラヘッドの生産、拡販を行っています。 温度・振動・衝撃・放射線耐性などの耐環境性にすぐれている同社製品は、日本国内外問わず数多くの実績がございます。 今回はカメラヘッドをご案内します。 |
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1. 豊富なフライト実績
同社の宇宙向けカメラヘッドは、宇宙用の高解像度・高性能カメラヘッドです。
製品販売の歴史は2003年からですが、20年程前よりカスタムでのフライト実績があります。
低軌道~深宇宙まで幅広い用途にご活用いただいています。
2. 幅広いアプリケーションへの適応力
同社の宇宙向けカメラヘッドは、CMOSセンサとFPGAなどをワンパッケージ化し、
センサ制御、画像処理、電源、保護、標準通信インターフェースを全て内蔵しています。
科学観測機器やペイロードの監視やスタートラッカーなどのアプリケーションまで、
幅広いアプリケーションに対応する事が出来ます。
3. 高い放射線耐性
TID > 40 krad (Si)
SEL LET > 60 MeV.cm²/mg
メーカにてカメラヘッドに搭載されるコンポーネントは放射線試験を実施しており、
メーカとして上記値を保証しています。
#CMOS Space Camera
3D plusの技術を集結した小型スペースカメラは、2048x2048 pixels CMOSセンサーがキーとなるカメラです。 画像を10個のLVDSペアを通してCMOSセンサーによって出力致します。よって、最大33の信号までシングルエンド出力の数を増やすことができます
【カメラヘッド CASPEXシリーズ製品ラインナップ】
*各型番をクリック頂くとメーカーサイトへ遷移いたします*
各種開発用ボードのご準備もございます。お問い合わせよりご確認ください。
4Mpix | 12Mpix | 1.3Mpix SWIR | |
型番 | ①3DCM734(白黒) ②3DCM739(カラー) |
①3DCM800(白黒) ②3DCM828(カラー) *排熱特化製品はこちら |
①3DCM830 *排熱特化製品はこちら |
解像度 | 2048×2048 Global Shutter Visible CMOS image sensor |
4096×3000 Global Shutter Visible CMOS image sensor |
1280×1024 Global Shutter InGaAs + CMOS image sensor |
【レンズ付きカメラ IRISシリーズ製品ラインナップ】
IRIS 8mm | IRIS 11mm | IRIS 25mm | IRIS 50mm | IRIS HD8mm | |
Focal length | 7.9mm | 11.6mm | 25mm | 50mm | 7.9mm |
FoV Aperture | 80°(H) 80°(V) |
56°(H) 56°(V) |
25°(H) 25°(V) |
12.5°(H) 12.5°(V) |
82°(H) 74°(V) |
Preformances | 2 full fps | 2 full fps | 2 full fps | 2 full fps | 30 full fps |
*各種数値、型番はグレードにより異なります。
*ご希望の仕様に応じて対象型番のご提案を致しますので、お問い合わせよりご連絡ください。
Other : 月のミッションで使用できるメモリも各種ご用意しております。
以下から各メーカーページに飛ぶことができます。
・DDR 3 / DDR 4 / DDRTR / MRAM / SPINOR / TMRNOR / Nand / LVDS / POL
3.Isabellenhutte(ドイツ)
イザベレンヒュッテ社は1482年にドイツで創業し、500年以上の長い歴史を持つ合金材料・抵抗器・電流センサーメーカーです。材料から最終製品に至る全ての工程において一元管理された製品は、世界各国の自動車、産業機器、エレクトロニクス製品、航空宇宙などで数多く採用されています。近年ではESA認定の宇宙用ヒーターの開発に取り組んでおり、2025年~2026年にESA認定取得を目標としています。
#ESA認定品ヒーターの製品仕様
イザベレンヒュッテ社にてESA認定の標準品(カタログ品)を製造予定ですが、
お客様によってヒータに対する各要求仕様が異なりますため、お客様ごとのカスタム品が多くなる見通しです。
現時点での仕様概要は以下の通りです。
イザベレンヒュッテ社にてESA認定の標準品(カタログ品)を製造予定ですが、お客様によってヒータに対する各要求仕様が異なりますため、お客様ごとのカスタム品が多くなる見通しです。 現時点での仕様概要は以下の通りです。 |
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定格出力 | 0.54W/cm² |
最大カスタムサイズ | 1000cm² (265 x 385 mm or 285 x 375 mm ) |
抵抗密度 | 30Ω/cm²まで |
公差 | 1.0%, 5.0%; 10.0% |
動作温度範囲 | -65 ~+180°C |
フォームファクター | 単層、複層、独立型、ストリップヒーター、モジュールヒーター |
宇宙使用 | 可能 |
1. ESA認定品のセカンドソース
宇宙認定のヒーターを供給しているメーカは少なく、イザベレンヒュッテ社が参画する事で、納期やコストのトレ
ードオフが可能となります。
2. 短納期
2025年6月時点ではプロトタイプ/試作サンプル品の供給を実施しており、今後FM(フライトモデル)品がリリース
された場合、競合他社と比較し、短納期で供給できるようメーカにて準備を進めています。
4. Xiphos (カナダ)
COTS品ベースで設計/製造の宇宙向けのプロセッサボードを取扱うカナダ・モントリオールのメーカになります。
国家機関から'New Space' 企業と幅広く採用があり、数百台以上の宇宙での使用実績がございます。
*実績例...衛星搭載用や月面ミッション等
【Qカードシリーズ(プロセッサボード)ラインナップ】
*各型番をクリック頂くとメーカーサイトへ遷移いたします*
各種、ドーターボードの取り扱いもございます。詳細はお問い合わせよりご確認ください。
Q7 | Q8 | Q8J | Q8RF | |
Size(mm) | 78 x 43 x 19 | 80 x 80 x 11.2 | 80 × 80 × 11.2 | 100 x 100 x 20 |
Mass(g) | 24 | 56 | 56 |
60 |
Typical Power(W) | 2 | 5 | 5 | 6 |
FPGA | Xilinx Zynq 7020 SoC |
Xilinx Zynq UltraScale+ MPSoC Processing FPGA |
Xilinx Zynq UltraScale+ MPSoC Processing FPGA |
Xilinx Zynq UltraScale+ ZU28DR RSoC Processing FPGA |
RAM | 2x LPDDR2 RAM | LPDDR4 RAM (with EDAC) |
LPDDR4 RAM (with EDAC) |
LPDDR4 RAM (with EDAC) on PS & DDR4 RAM on PL |
Mass Storage |
2x QSPI Flash(NOR) 2x MicroSD |
2x QSPI Flash(NOR) 2x eMMC |
2x QSPI Flash(NOR) 2x eMMC support for external DDR3/DDR4 |
2x QSPI Flash(NOR) NAND Flash |
Available I/O | Gigabit Ethernet USB 2.0, serial multiple high speed I/O via mezzanine including GPIO and LVDS |
Gigabit Ethernet USB 2.0 & 3.1 serialmultiple high speed I/O via mezzanine including GPIO LVDS and GTR multi-Gbpstransceivers |
Gigabit Ethernet USB 2.0 & 3.1, serial multiple high-speed I/O via mezzanine including GPIO LVDS GTH and GTR multi-Gbps transceivers |
Multiple high-speed I/O via mezzanines including GPIO LVDS, GTR and GTY multi-Gbps transceiver 8x ADC@4GSPS 8x DAC@6.5 GSPS |
資料DL | ![]() |
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5. Spectrolab (アメリカ)
Spectrolab社は1956年にアメリカのカリフォルニアにて設立され、衛星搭載用のソーラセル、パネルの開発やヘリ搭載用の救助ライトの供給を行ってまりいました。弊社では衛星搭載用のソーラセル・パネルを各種取り扱っており、業界トップレベルの高効率セルの日本国内での供給が可能となりました。BOLからEOLまでの1ワットあたりの単価が非常によく、日本国内においても各お客様へ供給実績がございます。
1. AIAA認定品
宇宙ソーラセル認定規格を満足しており、宇宙利用に最適のソーラセルやパネルを供給しています。
2. 豊富な実績
約60年間ソーラーセル・パネルを宇宙産業へ供給している同社は豊富な実績を残しています。
国際宇宙ステーション(ISS)への供給実績のほか、月(Apollo 1969),火星(Rover 2004), 木星軌道(Juno 2016)へ
セルを最初に供給した企業です。
3. 発電効率
現在トリプルジャンクションセル(TJC)技術を用い、32.2% (XTE-SF)のBOL(Beginning of Life)の発電効率を有
しています。
4. 一貫製造
ソーラーセルの製造から試験まで自社内で完結しています。
そのため、トレーサビリティが確保しやすく、品質や信頼性の高い製品を供給することができます。
ミッションに応じカスタム設計も迅速に対応できます。
お問い合わせ
ご不明な点がありましたら、以下フォームにご記入ください。
また、弊社は東京ビックサイトにて7月30日~8月1日に開催されるSPEXAに出展いたします。
デモサンプルなどご興味いただけます方はぜひご来場ください。
詳細のご案内: ⇒
【出展情報】SPEXA-[国際]宇宙ビジネス展@東京ビックサイト 2025/7/30(水)~8/1(金)|ジェピコメディア