【Tadiran社 アプリケーションノート】 過酷な環境における観測用機器にPulsePlus

<目次>
1. Tadiran社とは2. センサー用途
1)北極のデータ観測
2)音響流速計
3. 御検討にあたり
4. お問い合わせ先
1. Tadiran社とは

1) Tadiran社は1962設立の老舗の電池メーカーです。世界で初めて塩化チオニルリチウム電池を開発したメーカーで、現在においても塩化チオニルリチウム電池市場において世界トップシェアを誇っています。
現在Tadiran社はTotalグループのSaft社の子会社となり、太陽光における長期間蓄電技術においても最先端技術を提供しております。
2) 弊社とTadiran社の関係
弊社ジェピコは30年以上Tadiran社の日本の総代理店として関係を構築しており、継続して国内のお客様の様々な用途に対し、標準品や特注品を御提案、販売させて頂いております。
3) Tadiran社製品の特徴
・豊富なラインナップ(単電池容量:0.55Ah~35.00Ah)
・自社開発のキャパシタとER電池を組み合わせた高パルス対応電池パック"PulsesPlus"のような独自製品の展開
・基盤取り付け型、ハーネス取り付け型などの豊富な端子形状で供給可能
・円筒からコイン型まで様々な形状ラインナップで対応
・組電池のカスタム対応が可能
・他社製の塩化チオニルリチウム電池(ER電池)との互換提案が可能です。
2.センサー用途
Tadiran社のLTCバッテリは、無線遭難ビーコン、緊急位置指示無線機(ELT)、GPS機器、SARSAT / COSPAS遭難ビーコン、移動衛星通信リンク、下部地震装置、ソノブイ、トランスポンダー、データロガーなど、様々なオフショアおよび海洋アプリケーションに採用されております。以下二つの例は、リモート海洋測定用途において比類のない電力とパフォーマンスを提供した事を実証しております。
1) 北極のデータ観測
例えば、NOAA/PMEL(NOAA Pacific Marine Environmental Laboratory)は、北極近くで、氷山の風、温度、日光、氷の厚さを測定する実験に電力を供給するためにPulsesPlusTMバッテリを採用しました。理由はOceantronic社が製造していた旧型の測定装置には380個のアルカリDセルで作られた重さ54kgのバッテリパックが搭載されておりました。それをTadiran社のPulsesPlusTMへ置き換える事で、32個の塩化チオニルリチウムDセルと4個のHLC(ハイブリッド層コンデンサ)の構成で、わずか3.2kg(容積比94%減)という、はるかに小さいバッテリパックに置き換えることが出来たからです。
PulsesPlusバッテリ技術への切り替えにより、同等の動作寿命とともに容積比94%減という大幅なサイズの変更と軽量化が実現し、輸送と取り扱いもさらに容易になりました。これは、極寒の北極海で機器を輸送する場合に非常に重要です。更に、この小さなリチウムパックであれば、空いたスペースに更に追加でリチウムパックを搭載する事も可能になり、システムの動作寿命を何倍にも延ばすことが可能となったのです。
写真の左が旧型のアルカリバッテリパック、右側がタディラン社のPulsesPlusのバッテリパックです。
2) 音響流速計
Tadiran社のバッテリは、カナダ野生動物保護局によって配備されたNortek社のAquadopp(音響流速計とプロファイラ)でも利用されております。その計測装置は外洋近くのハドソン湾にある野鳥に対する潮流の影響を研究する為に設置されました。アルカリバッテリパックをPulsesPlusTMバッテリパックに切り替えたことにより、バッテリの搭載容量をアルカリバッテリパックの約3.3倍に増やすことができました。
その他シリーズ
3.ご検討にあたり
Tadiran社製品は最も耐環境性能に優れた産業用一次リチウム電池であり、電圧、寿命、使用温度範囲、安全性、保存性において多くの優位性を持っています。これらの特性やラインナップの豊富さより、皆様が設計する機器の要求にあわせた提案が可能となります。
こちらのリンクにある「質問票」の日本語又は英語のいずれかのシートにご記入頂き、メール添付にてお問合せ下さい。
TADIRANバッテリ質問票
質問票の内容に不明箇所 ( どのように記載すればよいか分からない ) がある際は、弊社営業担当に相談ください。また、電流仕様などに関して質問表のフォーマットでは表現しづらい場合は、お客様オリジナルの資料で説明いただいても結構です。御記載いただいた質問表をもとにTadiran社が仕様を確認し最適なソリューションを提案します。
<お客様自身で電池選定する際の注意事項>
お客様の電流仕様並びに希望動作寿命より必要容量を算出して、それに沿った電池を選定するケースがございますが、これは実際の動作寿命に繋がらないケースが殆どです。なぜならば、電池の自己放電電流、保存期間、動作温度環境、ロット特性など寿命に影響を与える様々な外的・内的要因を予測しにくいためです。Tadiran社には長期にわたる経験があり、この要因分析のノウハウを保持しているため、最適な電池、または電池構成を御提案することが可能です。新規開発検討時は是非Tadiran社の提案まずご確認頂く事を推奨させて頂きます。
4.お問い合わせ先
下記メールアドレスからもお気軽にお問合せください。
担当部門 : 特販営業部
メール : tadiran@jepico.co.jp